勉強会主催の みなみ です。
『自己評価メソッド』を通して、不安や恐れなどの生きづらさを解消するにはどうすればいいのか、そのための自己評価の高め方について、続けてご紹介しています。
今回はその26回目です。
記事の内容を動画でもご紹介しています
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<気分と自己評価との好循環>に入るための実践法
『自己評価メソッド』は、フランスで人気の精神科医 クリストフ・アンドレ氏によっ て書かれました。
こちらの記事では、『自己評価メソッド』で紹介されている、自己評価をよくする方法を以下の4つのパートに分けてお話ししています。
- 自分を受け入れる
- 自分との関係を改善する
- 他人との関係を改善する
- 行動の仕方を改善する
前回は、「自分との関係を改善する」の中の、<気分と自己評価との好循環>に入るための実践法をお話ししました。
感情(気分)と自己評価との間には相関関係があるといわれ、気分がよくなれば自己評価は上がり、気分が悪くなれば自己評価も下がるのです(自己評価 → 気分 という関係も成り立ちます)。
ゆえに気分をよくすることで、自己評価もよくなり、自己評価がよくなることでさらに気分もよくなる、という好循環に入っていけるのですね。
その<気分と自己評価との好循環>に入るための実践法として4つをご紹介しました。
①自分の気分や感情がどうなっていたか、定期的に確かめる
気分をよくするためにまず必要なことは、自分の気分や感情がどうなっているかを確かめることです。
自分の感情に気づくことで、思い悩みがなくなり、気分が晴れることもあります。
アンドレ氏は、起こった出来事・それについて自分が考えたことともに、そのときの自分の気分を記録する方法を勧められています。
いまの気分は、起こったことに見合うものであるかどうかを振り返ることで、「そこまで落ち込むことでもない」と気づけることもあるでしょう。
②その気分が思い込みから来ていないかどうか確かめる
気分や感情は、事実そのものではなく、「その事実をどう考えるか」によっても生まれてくる、といわれています。
ネガティブな見方をして、思い込みにとらわれることで、自己評価を傷つけてしまうのです。
そのため、気分が思い込みから来ていないか確かめること、それには自分の考えを広げることが勧められています。
③定期的に自分の心を見つめる
夜寝る前に10分間、静かに目を閉じて自分について考えるなど、自分の心を見つめる習慣を身につけることも勧められています。
④楽しい気分を大切にする
自己評価の低い人は、気分の切り替えが上手ではないといわれています。
その原因の1つが、自己評価の低い人は「失敗をして、気分が落ち込んでいる」時に、<楽しい気分>を自分に許さない傾向にあることです。
そのため、そもそも気分転換をしなかったり、楽しい気分を押し殺してしまったりします。それでは、いつまでも気分はよくなりません。
そこで、「楽しい気分になるのは人間としての正当な権利。楽しい気分になっても不真面目ではない」と考え、罪悪感を抱くことなく自分にごほうびを与えることが勧められています。
前回の詳細はこちら
今回は、「自分との関係を改善する」の最後のポイント<自分と親友になる>についてお話していきます。
自己評価の問題で悩む人が 一番 陥りやすい間違い
<自己評価>の問題で悩む人が 一番 陥りやすい間違いは、<自己評価>と<自己賛美>を取り違えてしまうことである、とアンドレ氏はいわれています。
自己賛美とは「自分は素晴らしい」という評価のことであり、自己評価の問題に悩む人は、それを自己評価だと思い込んでしまっているのです。
自己賛美を自己評価と思えば、自己評価を高くするのに、自分が素晴らしい人間であると認められること、すなわち 他人からの称賛を求めるようになります。
他人から称賛されれば、自分は素晴らしいと思えるようになるからですね。
しかし常に他人から称賛を得ることは難しいでしょう。
そうして他人から称賛されなければ、自分を素晴らしい人間と思えず、自信も持てず、自己評価は下がっていってしまいますね。
ゆえに、まず、「自分を賛美する」のではなく、「自分を評価する」ことにしよう、と勧められてます。
賛美と評価の違いについて、フランスの哲学者 アンドレ・コント=スポンヴィル氏は、
賛美とは私達をはるかに超えるものに対してするものであり、評価とは私達よりほんの少し優れたものに対してするもの
と語っています。
何も自分を素晴らしくする必要はなく、ほんの少しよくなることで、自己評価は上がっていくのですね。
自分との関係を改善するゴールは“自分の親友になる”
自分を賛美するのではなく、自分を評価し、自己評価をよくしていく-
その自己評価はよくすることは、
「自分に好意を抱く」
あるいは
「自分に友情を抱く」
ともいわれています。
実際に、よい自己評価を持っている人は、自分を<親友>のように扱っているそうです。
友情という観点から「よい自己評価」をみてみると、そこにはたくさんの共通点があるとわかります。
よい自己評価と友情との共通点
- よい自己評価も友情も、相手に厳しくなることがある(してはいけないことはさせない)
- よい自己評価も友情も、相手に対する好意を崩さない(批判しないで助けようとする)
- よい自己評価も友情も、いつでも相手のそばにいる(相手のことに関心を持ち、いつでも役に立てるようにする)
- よい自己評価も友情も、相手に寛大である(欠点を受け入れ、あやまちを許す)
自分の親友になるための訓練法
自分の親友になる、と聞くと、難しく感じる方もいるでしょう。
しかし、すること自体は難しくなく、ただ「親友に対するように自分に接する」、それだけである、といわれています。
とはいえ、いざ実践しようと思っても、自らのあやまちを受け入れられず、つい自分を責めたり、批判したりすることも多いでしょう。
そこで、<自分の親友になるための訓練法>が紹介されています。
仮に、あなたが失敗をしたとき、
「ああ、自分はダメな人間だ。何をやってもうまくいかない。それならばいっそ、無駄だから何もかもやめてしまおう」
と自分に言おうとしたなら、
「失敗したのが親友だったら、それと同じことを言うだろうか?」と考えてみます。
親友に対して、「お前はダメな人間だ。どうせ何をやってもうまくいかない。無駄だからやめてしまえ」とは、決して言わないですよね。
そんな言い方では、まったく効果はなく、相手を傷つけるだけでしょう。
もっと相手の心に寄り添って、親友が問題を解決するのに助けとなるような、やる気が高まるような言い方をするはずです。
「うまくいかなかったのは辛かったね。でも、そういうこともあるよ。この経験を生かして努力をしていけば、この次はうまくいくよ」
という言い方であれば、相手は共感してくれたことを喜び、経験から学びを得て、努力を続けることができると思います。
自分に対しても、このような言い方をできるようにしていくというのが、自分の親友になる実践法です。
こういったやり方を継続させていけば、あなたは着実に「自分を親友として扱う」ことができるようになっていきます。
それを通して、自己評価もよくなっていき、他人の目も気にならなくなって、生きづらさが解消されていくでしょう。
次回からは、自己評価をよくする方法の3つ目のパート「他人との関係を改善する」についてお話ししていきます。
まとめ
- 自己評価の問題で悩む人の一番の間違いは、自己評価と自己賛美を取り違えてしまうことです。自己賛美とは、自分を素晴らしいと評価することですが、何も自分を素晴らしくする必要はなく、ほんの少しよくなることで自己評価は上がっていくのです
- よい自己評価を持つ人は、自分を親友のように扱っているといわれています。自分と親友になることが自分との関係をよくするゴールであり、自分を親友のように接していくことで、自己評価は着実によくなっていきます
- 親友に接するように自分と接するには、自分への言い方を「失敗したのが親友だったら、それと同じことを言うだろうか?」と問いかけ、その親友を思いやった、問題解決の手助けとなるような言い方に変えることです
続きの記事はこちら
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