勉強会主催の みなみ です。
ベストセラー書『自分の小さな「箱」から脱出する方法』を通して、人間関係の悩みを解消するメソッドをご紹介しています。
今回はその9回目です。
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あらゆる人間関係の問題の、本当の原因とは?
『自分の小さな「箱」から脱出する方法』は、世界でシリーズ累計150万部を超えるベストセラーです。
この本には、これまでにはなかった新しい視点で人間関係の問題の原因が書かれていて、注目を集めました。
ではその人間関係の問題の原因は何かというと、「箱」に入っていることです。
箱とは「自己欺瞞」や「自己正当化」のことであり、箱に入っているとは、自分のニーズばかりを満たそうとする状態、心が敵対的な状態であるのを例えられたものです。
相手のニーズをないがしろにし、心が敵対的な状態では、とても人間関係を良好にできるとは思えませんね。
自分が箱に入っていると、相手も箱の中に入れてしまい(相手も敵対的な状態にしてしまい)、ますます関係は悪化し、修復不可能にさえなってしまいます。
では箱から出るにはどうすればいいのかというと、他者のニーズに目を向けることです。
他者に目を向け、相手はどういう状況であり、何を必要としているのかがわかると、これまでの見方がガラッと変わります。
この相手の立場にたち、何を必要としているか考えることは仏教では「利他」といわれています。
利他の心が、箱を脱出する重要な鍵であることを前回、お話ししました。
前回の記事はこちら
今回は、実は箱には4つの種類があり、それぞれの箱にはどんな特徴があるのかについてお話しします。
あなたはどれに入っている?4つの箱のそれぞれの特徴
4つあるといわれる箱には、
- 「優越」の箱
- 「当然」の箱
- 「体裁」の箱
- 「劣等感」の箱
があるといわれています。
いずれも問題点があり、人間関係の悪化をもたらす心の状態です。
それぞれどのような特徴があるか、見ていきましょう。
①「優越」の箱
優越の箱に入ると、他人は自分より劣ったものとして偏見を持って見てしまいます。
自分のことは優等で、重要な存在と見なします。
対して相手のことは劣等で無能、その行動は間違っていると見なします。
このような見方ですと、出てくる感情は自分が評価されないことへの苛立ち、あるいは相手のニーズへの無関心です。
自らを過大評価し、相手を正当に評価しなければ、当然、相手との関係は悪くなりますね。
ここで1つ、疑問を持たれるかもしれません。
それは、実際に相手の能力が劣っているのなら、どんな人も「優越」の箱に入ってしまうのでは? というものです。
これについて、『2日で人生が変わる「箱」の法則』ではこういわれています。
人を人と見れば、その人の比較的強い点と弱い点に気づくことができます。
仮に自分のほうが相手より優れている点が多かったとしても、自分にはない相手の強みもあるはずです。
そこに注目すれば、相手を見下す心は出てこないでしょう。
その点を見逃すと「優越」の箱に入ってしまい、相手に無関心となって、ますます長所が見えなくなってしまうのですね。
②「当然」の箱
当然の箱に入っている人は、自分を「賞賛に値する人物」であり、「被害者」であると見ます。
そして相手に対しては「恩知らず」であり「ひどい扱いをする人、加害者」という見方をするのです。
自分は相手からもっと賞賛されるべきなのに、相手は何もしてくれない、恩知らずだ、という見方であり、
あるいは私は悪いことは何もしていない、ひどい扱いをするアイツが悪い、と思っている状態ですね。
このことについても、1つの疑問があるかもしれません。
それは、客観的に見ても、相手がひどいやつであった場合です(あるいは本当に恩知らずな人)。
その場合は、当然の箱に入っても仕方ないのではないか、と思われるでしょう。
そういうときは、「共謀」についての記事で引用した言葉を振り返ってみましょう。
こちらが箱の中に留まり続ける限り、相手はひどい奴であり続ける。
こちらが責めれば責めるほど、相手は責められるようなことをするわけだ。
こっちが箱から出てしまえば、 相手がひどい奴である必要はなくなり、 相手をひどい奴にする必要もなくなる。
(『自分の小さな「箱」から脱出する方法』より引用)
こちらが相手を責めている限り、箱に留まり続ける限り、状況が良くなることはありません。相手はひどいやつであり続けてしまいます。
反対に、こちらが責めるような言動を取らなければ、相手もこちらを責める理由はなくなるのであり、事態の悪化は避けられるのですね。
どうしても相手を責めたくなる気持ち、自分を被害者だと思う気持ちは出てきますが、いったん冷静になり、他者のニーズにも目を向けていきたいですね。
次回は、もう2つの箱である「体裁」と「劣等感」の特徴をお話しします。
まとめ
- 箱とは「自己欺瞞」「自己正当化」のことで、箱に入るとは心が敵対的な状態になっていることです
- 心が敵対的な状態では、相手と良好な関係を築くことはできません。ゆえに人間関係の問題を解決するには、他者のニーズに注目することが大切です
- 箱には「優越」「当然」「体裁」「劣等感」の4つの種類があります
- 優越の箱に入ると、自分は重要な存在で、他人は自分よりも劣ったものと見なします。当然の箱に入ると、自分こそ賞賛に値する人物であり、相手は自分をひどく扱うものと見なします。いずれも他者のニーズには無関心で、自分が正当に評価されていないと感じています
続きの記事はこちら
引用した書籍
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