裏を読む力を鍛える!社会の有害な影響から自己評価を守る4つの実践法-生きづらさを解消する 自己評価メソッド18

勉強会主催の みなみ です。

『自己評価メソッド』を通して、不安や恐れなどの生きづらさを解消するにはどうすればいいのか、そのための自己評価の高め方について、続けてご紹介しています。

今回はその18回目です。

自己評価メソッド―自分とうまくつきあうための心理学

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現代は<コンプレックスを助長する時代>といわれる2つの理由

『自己評価メソッド』は、フランスで人気の精神科医クリストフ・アンドレ氏によって書かれました。

こちらの記事では、『自己評価メソッド』で紹介されている、自己評価をよくする方法を以下の4つのパートに分けてお話ししています。

  1. 自分を受け入れる
  2. 自分との関係を改善する
  3. 他人との関係を改善する
  4. 行動の仕方を改善する

前回は、「自分との関係を改善する」の中の、現代がコンプレックスを助長する時代となった2つの原因についてお話ししました。

現代は、「テクノロジーの発達」「平等社会の実現」によって、コンプレックスを助長している、とアンドレ氏は指摘されています。

テクノロジーの発達

「テクノロジーの発達」が拍車をかけたのが、身体的な外見の重視です。カメラや家庭用ビデオの影響、ここ数年ではスマホの普及によって自分の姿を見る機会が増えるとともに、信じられないくらい美しい男女を視ることも多くなりました。

そのような完璧な容姿を持った人を見れば、どうしても自分と比較しては自信を失い、コンプレックスを抱きやすくなってしまうのです。

平等社会の実現

もう1つの「平等社会の実現」は、その昔は封建制であり、どの職業につくかは生まれながらに決まっていました。

現代と比べれば不平等な時代でしたが、裏を返せば、自分が貧しいのは社会のシステムのせいであると考えるため(実際に個人の努力では難しい場合がほとんどだったと思います)、コンプレックスはなかったのです。

ところが自由で平等な社会が実現したことで、この枠組が変わって職業の選択が自由となりました。

それによって能力不足で理想の仕事につけず、あぶれてくる人も出てくるようになり、「能力がない」ことにコンプレックスを感じるようになったのですね。

前回の詳細はこちら

ではこのような時代の中で、コンプレックスの問題を相対化させ、自己評価を守るにはどうすればいいのでしょうか。
今回は、社会の有害な影響から自己評価を守る実践法をご紹介していきます。

社会の有害な影響から自己評価を守る4つの実践法

自己評価を守るための実践法として、アンドレ氏は「どうやって広告の危険性から自己評価を守るか」の1つに絞って話を展開されています。

それは、

<容姿>や<若さ>などの外見の問題にしても、
<能力>や<経済的な豊かさ>という社会的な成功に関する問題にしても、

それらがコンプレックスになるようにしている背景には、「テクノロジーの発達」「平等社会の実現」という要素のほかに、

資本主義の要請>というもう1つの要素があるから(しかもこれがいちばん有害な要素)、といわれています。

これが有害といわれるのが、<広告>という強力な手先を使って、私達の自己評価に絶えず攻撃を仕掛けてくるから、です。

私達がなにげなく「若いほうがいい」「美しいほうがいい」と思うのは、テレビや雑誌、サイトの広告にそう思い込まされているから、と指摘されています。
そう思い込ませたいのは、化粧品や洋服など、さまざまな商品が売れてお金が儲かるからですね。

もちろんそれは法律で許された経済活動ではありますが、そういった広告によって自己評価に有害な影響が与えられているのは多くの研究でも示されています。

<能力>や<経済的な豊かさ>の場合も同じです。

「この商品を買えば、あなたは優れた人間になれる」「この商品を持っているのは豊かさのしるし」、
そう言って、高い車や家を買わせようとする
、といわれています。

その商品を手に入れられない人は、自己評価をいちじるしく下げるかもしれません。

また、商品を買った人も、それを所持している間は自己評価は高まるものの、持てなくなると考えただけで不安に襲われるなど、自己評価をもろくもするのです。

それでは、このような社会の有害な影響から自己評価を守るには、どうすればいいのか、
そのための実践法を4つ、ご紹介します。

①広告の裏を読む力を高める

いちばん危険なのは「私は理知的な人間なので、広告の有害な影響からは逃れている」とおごることにある、といわれています。

広告は巧妙に私達の自尊心をくすぐって商品を買わせようとしています。まずは謙虚になって、広告の裏(何を目的とし、その目的のためにどう操作しようとしているのか)を見極めましょう。

②自問自答する

広告はあなたの弱みを巧みについてきます。その際に、コンプレックスを刺激されずに、自己評価を守るには、

「それは自分に本当に必要なものなのか」
「それを買ったら、本当に楽しい気分になれるのか」

と自問し、よく考えてみることです。

③美男美女が出てきたら、それが彼らの仕事だと思う

テレビや雑誌の美男美女が出てきたら「あの人達と比べて私は…」と思う前に、

「それが彼らの仕事であり、彼らはそのために自分の容姿の手入れをし、健康管理に気をつけている」
「映像や写真は長い時間かけてプロに撮影され、修正を施したもの」

と受け止め、自分と比較すること自体が不要と思いましょう。

④欠点を自分の一部として受け入れる

コンプレックスのもとになっているのは、自分の欠点です。広告は、あなたの欠点(だと思っていること)を巧みにつき、刺激してきます。

したがって、

「それは欠点ではない」
「欠点でもいい。それも自分の一部だ」

と思っていれば、

自分は広告が謳っている理想的な、素晴らしい人間ではないし、なれないかもしれない。だが、それはそれでかまわない
何も高い商品を買ってまで、自分が優れた人間であるふりをすることはない

と、コンプレックスを持つことも、それを刺激されることもありませんね。

 

以上が、社会の有害な影響から自分を守る方法についてでした。

次回は、自己主張をして、自己評価を高める方法をご紹介していきます。

まとめ

  • 現代がコンプレックスを助長する時代といわれるのは、テクロジーの発達と平等社会の実現に加え、いちばん有害な影響として<資本主義の要請>が挙げられています。商品を買わせるために広告は私達の弱みを巧みにつき、コンプレックスを刺激するのです
  • 社会の有害な影響から自己評価を守る実践法として、以下の4つをご紹介しました
    1. 広告の裏を読む力を高める-「自分は惑わされない」という過信がもっとも危険です
    2. 自問自答する-それは本当に必要か、と自分に問いかけましょう
    3. 美男美女が出てきたら、それが彼らの仕事だと思う
    4. 欠点を自分の一部として受け入れる

続きの記事はこちら

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この記事を書いた人
南 雄一郎

2011年 金沢大学工学部 卒業

大学では機械工学を専攻するなか、悩み解消のヒントや生きる指針を教える仏教に強い関心を持ち、仏教講演会に多数参加しました。

また大学卒業後は仏教と親和性のある心理学にも興味を持ち、独学で学びました。

現在は東京都内でライターをしながら、対人関係の悩みを解消し、自立した生き方の実現を目的とした 仏教×心理学のワークショップを開催しています。

自主開催のワークショップは累計750回以上。

2018年 新潟県キャリアセンター様主催 キャリアコンサルタント フォローアップセミナーにて講師をつとめました。

NPC法人HMC協会 認定心理カウンセラー(セルフ資格) 。

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