勉強会主催の みなみ です。
今年初めての開催となったワークショップには、初めての方お1人を含む、7名の方にご参加いただきました^^
ある参加者の方からは「今日は楽しく、ためになる時間、感謝でいっぱいです! 」という感想をいただき、、非常に嬉しく思います。
今年は、昨年以上に よりわかりやすく、日常でためになる心理学、仏教の内容を届けるできるよう、精進していきたいと、決意新たにしました。
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上司から叱責されるのが憂うつ… 悩み解決の糸口は?
今回は、
ブッダとアドラー心理学に学ぶ「即実践的 悩みの解決法」
というテーマでお話ししました。
このテーマのワークショップでは、ベストセラー『嫌われる勇気』の著者として知られる岸見一郎さんの新作の著書『人生を変える勇気』の内容を参考にして、お話ししています。
人生を変える勇気 – 踏み出せない時のアドラー心理学 (中公新書ラクレ)
こちらの本には、さまざまな年代の人から寄せられた具体的な悩みに対して、アドラー心理学から見た状況の分析と、その解決方法が示されています。
前回から、仕事のタスク(仕事上の対人関係の課題)に関する悩みを取り上げています。
その悩みは、20代の男性から寄せられた、職場の上司との関係についての悩みで、以下のものです。
仕事そのものは楽しいし、やりがいがあるのに、上司との関係がうまくいっていません。
朝、目覚めた時から憂鬱で、またあの上司に叱責されるのかと思うと、職場に向かう足取りが重くなってしまいます。
「仕事そのものは楽しく、やりがいもある」といわれることから、いまの仕事自体は続けたいと思っておられるのでしょう。
しかし上司との関係がうまくいっていない。それも、朝目覚めた時から上司に叱責されることが憂鬱だと言われているので、かなり追い詰められた状態と考えられます。
このまま辛い思いをし続けるくらいなら、仕事への未練はあるが、辞めてしまったほうがいいのか。あるいは、上司からの叱責にうまく対処できる方法があるなら教えてほしい、という思いを持たれていると思います。
こちらの男性にはどのように答えるといいでしょうか?
前回は、「『誰』がいっているかではなく、『何』がいわれているか」が職場で大切なことであると岸見さんがアドバイスされているのをお話ししました。
前回の記事はこちら

たとえ上司であろうと、間違ったことを言ったならば、誰が言っているかには関係なく「それは間違いではないですか」と言うべきであり、職場はそのような言い方をしても問題がないところであるべきなのですね(部下が間違ったことを言ってしまったケースも同じです)。
もし「それは間違いではないですか」と言って、よく思われない職場であるなら、“この先ずっと働き続けるべきか、よく考えたほうがいい”と、岸見さんは言われています。
アドラー心理学では、立場の違いに関係なく「横の関係」を築くことが勧められています。横の関係に対して、「縦の関係」では問題が生じるのです。
今回は、「縦の関係」「横の関係」について詳しくお話ししていきます。
問題のある「縦の関係」、築いていくべき「横の関係」
まず、「縦の関係」とは、上下関係、支配する・されるの関係です。
権威を使って相手を支配する、感情的になることで相手に言うことを聞かせる関係は「縦の関係」といえるでしょう。
相談者の男性の上司が、権威を使ったり、高圧的な態度で理不尽な叱責をしたりする人であれば、男性と上司との関係は「縦の関係」といえるでしょう。
あるいは、権威を武器に「それは間違いではないですか」と言えない関係をつくり出しているなら、それも「縦の関係」に入りますね。
対して「横の関係」は、立場は違っていても対等な関係です。
権威を振りかざして相手を支配したり、感情的になって言うことを聞かせたりすることなく、相手の意見を尊重し、相手のニーズを知り、相手をサポートする関係は「横の関係」といえるのですね。
「縦の関係」が続けば、相談者の男性のように、上司からの叱責に悩まされ、憂鬱になり、職場に向かう足取りまでも重くなりかねません。
上司と部下の良好な関係は「横の関係」でこそ成り立つのであり、上司は権威を盾にしたり感情的になったりして部下を支配するのではなく、たとえ部下から「それは違うのではないですか」と言われたとしても、それを受け止めるべきなのですね。
しかし権威・感情を武器に縦の関係をつくりたがる上司は多いと思います。それはなぜでしょうか?
上司が「縦の関係」をつくりたがるのは、自分が〇〇だから
それについて岸見さんはこう言われています。
相手が部下であれ誰であれ、怒りを利用するような上司は人間として未熟であることを露呈しているのです。
(『人生を変える勇気』から引用)
人間として未熟だから、怒りを利用して相手を屈服させようとするのですね。
またこうも言われています。
有能な上司であれば決して感情的になることはありません。
たとえ部下から誤りを指摘されたとしても、誤りを認める用意があるでしょうし、反対に、部下の考えを正す必要がある時は、部下の間違いを感情的にならずに言葉で指摘するはずです。
無能な上司は、仕事では認められないので、本来の仕事ではない場面で自分が優れていることを部下に誇示しようとします。
(『人生を変える勇気』から引用)
有能な上司は、感情的になることはなく、部下に対して理不尽な指摘をすることもありませんし、部下からの指摘も冷静に受け止める器の大きさがあります。
反対に、無能な上司ほど感情的になって相手を支配するのですね。本来の仕事では認められないので、権威を使って相手を下に見て、優位性を保とうとするのです。
上司が縦の関係をつくりたがる理由は、率直に言えば「自分が無能(未熟)であることをカバーするため」といえるでしょう。
岸見さんは、無能な上司のやり方を「本戦場」「支戦場」という言葉も使ってわかりやすく説明されています。
次回は「本戦場」「支戦場」という言葉をから、縦の関係の問題点を見ていきます。
まとめ
- アドラー心理学で、乗り越えるべき対人関係の課題の1つが「仕事のタスク(仕事上の対人関係の課題)」です。職場では、「誰」が言っているかではなく「何」が言われているかが大切である、といわれています。誰が言ったかに関係なく、発言に誤りがあれば「それは間違いないですか」と言うべきであり、それが言えない(よく思われない)環境は望ましくないのです
- アドラー心理学では「縦の関係」ではなく「横の関係」を築くことが勧められています。「縦の関係」は上下関係、支配する・されるの関係、権威を振りかざして高圧的な態度で理不尽なことを言ったり、相手の指摘を受け入れたりしない関係です
- 横の関係は、立場は違っていても対等な関係です。横の関係を築く上司は、たとえ相手から「それは間違いではないですか」と指摘されても、それを受け入れ、誤りを直す度量の大きさがあります。縦の関係をつくりたがる上司は人間としての未熟さを露呈しているのであり、縦の関係をつくるのは自分の無能さをカバーするためなのです
続きの記事はこちら

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