「性格は変えられない」は誤り?アドラー心理学にみる“自己決定性”と、自分を変える勇気を持つ方法

「こんな性格の自分は変われない、どうしようもない」と悩むことはないでしょうか。

性格はもともと決まっているもので、自分では変えようがない、と思ってしまいがちです。

ところがアドラー心理学の観点からいえば、「変われない」のではなく「変わらない」という選択をしている、と教えられているのです。

「変わらない」選択とはどういうことかについてお話しします。

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「変わらない」選択をしているのは楽だから

私達は普段、「~のせいで、やる気がなくなった」「~だから、自分は変われない」という思いを懐きます。

ところがアルフレッド・アドラーはこのように語っているのです。

「やる気がなくなった」のではない。「やる気をなくす」という決断を自分でしただけだ

「変われない」のではない。「変わらない」という選択を自分でしているだけだ

私達は、「~のせいで」「~だから」と、自分を決定づける何かがあると思っています。

もちろん、環境や周りの人が私たちに与える何かしらの影響もあります。大きな影響を受けることもあるでしょう。

しかし最終的な決断をしているのは私たち自身だ、とアドラーは指摘しているのです(これを「自己決定性」といいます)。

ではなぜ、やる気をなくすという決断をしたのか、「変わらない」という選択をしたのかといえば、そのほうが楽だからですね

やる気を出して何かに取り組もうとしたり、自分を変えようとしたりすれば、勇気が必要になります。
その勇気が自分にはないから、「やる気をなくす」決断や「変わらない」選択をし、さらには「~のせいで」「~だから」といって自分を納得させているのですね。

ベストセラー『嫌われる勇気』の著者である岸見一郎さんも、著書の中でこう言われています。

苦しいから前に進めないのではなく、前に進まないために悩むのだ、と。

前に進まないでおこうという決心が先にあって、悩むのはその決心がやむをえないと思えるためであるとアドラーは考えるのです。

(『困った時のアドラー心理学』岸見一郎著 より引用)

仮に、解決策を必死に考えて、それを見つけ、問題解決に向けて努力をしている人がいれば、悩む必要はありませんね。それは考えることではあっても、悩んでいるとはいえません。

悩むのは、前に進まないため。解決策を見つめる気がないか、それはわかっているけれどやりたくないから悩んでいる、といわれているのですね。

そのように悩んでいれば確かに前に進まなくてもいいので、一見、楽なようにも思えます。

しかしそれで本当にいいのでしょうか。

悩み続ければ、現状は変わらないどころか、周りの人は悩んでいるあなたをうとましく思い、離れてしまいかねません。
その人たちを、「みんな、私のことをわかってくれない」と周りを責めれば、ますます孤独になってしまいます。

悩み続けて、状況が良くなることはないのですね。

“自分を変える勇気”を得る始まりは「自己受容」

人間には、自分で選択肢を決められるという「自己決定性」があるから、自分を変えることもまた可能なのです。

変われるのは自分だけであるということです。他の人を変えることは基本的にはできません。相手は変えられませんが、自分は変えることができます

(『困った時のアドラー心理学』岸見一郎著 より引用)

と岸見さんが語られている通りですね。

過去や他人を変えようと思っても、それはできません。
しかし人間には「自己決定性」があり、勇気があれば、自分を変えることはできるのです

それではどうすれば、自分を変える勇気が得られるのでしょうか?

自分を変える方法① 自己受容

まず、今の自分を受け入れること、「自己受容」をすることです。
自分を受け入れられれば、自分を好きになれば、勇気が起こり、「自分を変える」という課題へ立ち向かっていけるはずです。

自己受容の具体的な方法については以前の記事をご参照ください。

ありのままの自分を受け入れるには?アドラー心理学から知る”自己受容”の方法
「自分のここがイヤで仕方ない」 「自己評価が低くて、何事にも自信が持てない」 と、自分のことが好きになれなくて悩んでいる方は多いのではないでしょうか。 ...

自分を変える方法② 他者貢献

自己受容以外の方法としては、「他者貢献」に踏み出すことです。

具体的には、相手が喜ぶようなことをするのに時間を使ったり、相手の関心事に関心を持ったりすることですね。

そのようなことを行い、相手の役に立てていると思えているのが「他者貢献感」です。

他者貢献感が得られると、自分には価値があると思え、自分を受け入れることができるのです。

岸見さんもこのように言われています。

どんな時に自分が好きだと思えるかというと、自分が役立たずではなく、何かの形で人に役立てていると思える時ではないでしょうか

(中略)

他の人が変わるかどうかにかかわらず、まず自分が関係を改善するために何かできることがないかを考えて実践していくこと

そのためには努力がいりますが、その努力は関係改善のための努力なのですから、苦痛ではなく喜びなのだということがやがてわかってもらえると思います。

(『困った時のアドラー心理学』岸見一郎著 より引用)

自分が役に立てていると思えると自分が好きになれますし、関係改善のための努力が喜びともなるのですね。

相手の役に立てていると感じれば、自分のことが好きになり、ますます他者貢献をしようと努力していく。
そうなれば自ずと理想の自分へと近づいていけますね。

「~のせいで」「~だから」を言うのではなく、自分にできることは何かを考え、ぜひ実践をしていきましょう。

まとめ

  • 性格は変えられないのではなく、「変わらない」という選択をしている、とアドラー心理学では教えられています。変わらない選択をするのは、そのほうが楽であり、前に進まなくていいからです
  • 悩むのは前に進まないという決心があるから、ともいわれています。しかし悩み続けていても現状がよくなることはなく、周りを責めて孤独になってしまいかねないのです
  • 人間には自己決定性があり、自分で自分を変えることはできるのです。そのためには自分を変える勇気を得ることです
  • 自分を変える勇気を得るには、「自己受容」すること、他者貢献に踏み出すことです。他者貢献感を持つことで、自分のことが好きになり、関係改善のための努力をさらにやらずにおれなくなるでしょう

引用した書籍

困った時のアドラー心理学 (中公新書ラクレ)

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この記事を書いた人
南 雄一郎

2011年 金沢大学工学部 卒業

大学では機械工学を専攻するなか、悩み解消のヒントや生きる指針を教える仏教に強い関心を持ち、仏教講演会に多数参加しました。

また大学卒業後は仏教と親和性のある心理学にも興味を持ち、独学で学びました。

現在は東京都内でライターをしながら、対人関係の悩みを解消し、自立した生き方の実現を目的とした 仏教×心理学のワークショップを開催しています。

自主開催のワークショップは累計500回以上。

2018年 新潟県キャリアセンター様主催 キャリアコンサルタント フォローアップセミナーにて講師をつとめました。

NPC法人HMC協会 認定心理カウンセラー(セルフ資格) 。

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