勉強会主催の みなみ です。
今回のワークショップには初めての方4名を含む、8名の方にご参加いただきました^^
まだ7月にもかかわらず、35度超えの猛暑日が続いています。そんな中でも多くの方に参加いただき、ありがたいです(>_<)
今回は、対人関係での悩みを解決する「課題の分離」がテーマであったこともあり、ディスカッションでは会社の上司や先輩との悩みについて話していただきました。
話をしていく中で、ワークショップの内容も結びつけつつ解決策を見つけられて喜ばれ、私自身も嬉しく思いました。
自分一人では落ち込んでしまうことも、第三者と話をすることで状況が整理され、今までは得られなかった視点を得ることもできると、改めて感じました。
記事の内容を動画でもご紹介しています
スポンサーリンク
トラブル解消の出発点 対人関係を激変させる“課題の分離”
今回の勉強会のテーマは
アドラー心理学に学ぶ「対人関係を激変させる“課題の分離”」
についてでした。
『嫌われる勇気』が大ベストセラーとなったことで広く知られるようになったのがアドラー心理学ですね。
アドラー心理学では
人間の悩みはすべて対人関係の悩みである
と説き、その対人関係の問題を解消し、対人関係から喜びを得る方法が教えられています。
その悩みを解消する出発点が「課題の分離」です。
課題の分離について、『嫌われる勇気』では以下のようにいわれています。
およそあらゆる対人関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込むこと―
あるいは自分の課題に土足で踏み込まれること―
によって引き起こされます。
課題の分離ができるだけで、対人関係は激変するでしょう。
他者の課題に土足で踏み込んだり、自分の課題に土足で踏み込まれたりするなど、課題の分離ができていないから他者とのトラブルが起こる。
反対に課題の分離ができていれば対人関係は激変する、とまでいわれているのです。
いかに課題の分離が重要であるかがわかりますね。
それでは、課題の分離とはどんなことか、具体例を通して見てみたいと思います。
「お礼を言われないことへのイライラ」にどう対処するか?
課題の分離は、以下の手順で行うべきといわれています。
- これは「誰の問題か」を問う
- 自分の課題と相手の課題を切り離す
たとえば、相手のために尽くしたのに、お礼を言ってもらえなくてイライラした、ということはないでしょうか?
どなたにでも経験のあることだと思います。
自分も決してヒマではなく、相手のために時間も労力もかけてやってあげたのに、ねぎらいの言葉もない、何も言われないとなれば、つらいですし、怒りがこみ上げてくるかもしれません。
些細な問題と思われるかもしれませんが、このようなことが積み重なると、修復不能な関係に陥ることさえあります。
この「お礼を言われなくてイライラ」問題を、課題を分離して考えてみましょう。
まず、これは誰の問題かを問えば、私と、お礼を言わない相手との問題になりますね。これはわかりやすいです。
では次に、相手の課題は何でしょうか?
それは「お礼を言うか言わないか」ということですね。
私が相手に無理やりお礼を言わせることはできません。お礼を言うか言わないかは相手の意思で決定されます。
では自分の課題は何でしょうか?
それは「相手がお礼を言わないことにどう対応するか」ということです。
相手の課題 | 自分の課題 |
お礼を言うか言わないか | お礼を言うか言わないか |
ここで押さえておかなければならないのは、課題の分離には「相手の課題に介入してはならない」という基本ルールがあることです。
課題への介入は「承認を求める」こと
相手の課題への介入は、この問題の場合、相手にお礼を求める、承認を求めることです。
お礼を言うか言わないかは相手の課題。
それをさせようとするのは課題への介入になるのですね。
『嫌われる勇気』にあったように、他者の課題に土足で踏み込もうとすれば、それがトラブルの原因になります。
お礼を催促されれば誰だって良い気分はしませんよね。承認を求めるほど、相手はますますお礼を言おうとしなくなり、あなたはお礼がないことに対してさらにイライラしてしまうことになります。
もちろん親切にしてもらったほうは、相手をねぎらい、お礼を言って当然ですね。
しかしなかには、してもらったことに対する感度が低く、お礼を言わない相手もいます。
そんな人を相手に承認を求めようとすれば、あなた自身が苦しくなってしまうでしょう。
他者のために尽くした、というあなたの行為はとても素晴らしいことですので、「お礼がないなら、もう二度とやらない」となってはもったいないです。
課題に介入せずに、相手との関係を良好にできる方法を、ぜひ知っていただきたいと思います。
それについては次回、詳しくお話しします。
まとめ
- アドラー心理学では、人間の悩みはすべて対人関係の悩みであると説かれ、人間の本質にもとづく悩みの解消法が教えられています。その出発点が「課題の分離」であり、課題の分離ができるだけで対人関係は激変する、とまでいわれています
- 課題の分離は、以下の手順での実行が勧められています(課題の切り分けは、最終的な結末は誰にふりかかるか、最終的な責任は誰にあるのか、で行います)
- これは「誰の問題か」を問う
- 自分の課題と相手の課題を切り離す
(基本ルール)相手の課題に介入してはならない
- お礼を言われなくてイライラするという問題では、「お礼を言うか言わないか」は相手の課題であり、自分の課題は「お礼がないことにどう対処するか」です。このとき、承認・お礼を求めることは課題への介入となり、関係の悪化につながります
続きの記事はこちら
引用した書籍
スポンサーリンク