勉強会主催の みなみ です。
今回のワークショップには初めての方2名を含む、3名の方にご参加いただきました。
今日のワークショップには九州にお住まいで、友達との約束で東京に来られていた方が参加されました。
今日のメインテーマであるアドラー心理学の内容もよくご存知で、積極的に発言もいただき、私自身も新たな気づきを得ることができて、有意義な時間となりました(^^)
ご経験をお聞きすることで、学びをどう活かすべきかも知らされ、ディスカッションの良さが改めて体感できました。
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起こしてしまいがちな“問題行動”と、その5段階
今回のテーマは、
アドラー心理学に学ぶ「“問題行動の5段階”と、そこから脱する方法」
についてでした。
アドラー心理学の知名度を大きく上げることになったのがベストセラー『嫌われる勇気』ですね。
その続編である『幸せになる勇気』もまたベストセラーとなりました。
その『幸せになる勇気』の中で取り上げられているのが「問題行動の5段階」です。
私たちがそもそも問題行動を起こしてしまうのは、人間の根源的な欲求である「所属感」の満たし方を誤るからであるのですが、前回はその「所属感」とは何か、についてご紹介しました。
前回の記事はこちら
この所属感を満たそうとして私たちは問題行動を起こしてしまいがちです。
相手の問題行動に対して対応を誤ってしまうと、相手の問題行動は悪化していき、やがては当事者同士では解決不可能な状態にまで陥ってしまいます。
その問題行動の5段階とは
- 称賛の要求
- 注目喚起
- 権力闘争
- 復讐
- 無力の証明
でした。
今回から、各段階の問題行動とはどのようなものなのか、また、なぜ問題行動となってしまうのかについてお話ししていきます。
やる気や従順さのアピールがなぜ問題なのか?注目すべきはその目的
問題行動の5段階の最初が、「称賛の要求」です。
称賛の要求とは、
親や教師に向けて、またその他の人々に向けて、「いい子」を演じる。
組織で働く人間であれば、上司や先輩に向けて、やる気や従順さをアピールする。
それによってほめられようとする。
と言われています。
「演じる」といわれると身も蓋もないですが…。
ただ少なくとも、子供が親や教師に対して行儀よく振る舞っていたり、社員が上司や先輩にやる気をアピールしたりするのは決して悪いことではないはずです。
ではなぜこれが問題行動と言われるでしょうか?
それは、行為そのものではなく、行為の目的に問題があるのです。
行為の目的は「ほめられる」ことです。
ほめられることを目的する場合、期待通りにほめられたときはいいのですが、期待が外れ、ほめられないときもあるでしょう。
そのように当てが外れ続けると、どうなってしまうのでしょうか?
『幸せになる勇気』にはこう指摘されています。
誰からもほめられないのなら、特別視されないのなら、こんな努力に意味はない。そうやって途端に意欲を失います。
彼らは「ほめてくれる人がいなければ、適切な行動をしない」のだし、
「罰を与える人がいなければ、不適切な行動もとる」
というライフスタイル(世界観)を身につけていくのです。
ほめられることが目的であると、誰からもほめられず認められなかったときに、その努力を途端にやめてしまうのですね。
一生懸命 勉強や仕事をすることは、本来、人の役に立つため、貢献するためです。
だから相手の役に立てたという感覚が自分にあればそれでいいんだ、とアドラー心理学では教えられています(ただ、本当に相手の役に立っているのかを知り、それに適した努力することも欠かしてはなりません)。
しかしその目的が「自分が特別な人間だと思われたい、ほめられたい」という目的にすり替わってしまうことが私たちには多々あります。
その目的を持ったままだと、認められないなら取り組む意味がない、というライフスタイルを身につけてしまいます。
そしてそのライフスタイルはやがて、「自分の居場所を確保するために、不適切とわかっていながら、それをやって目立ってやろう」という“注目喚起”の次の段階へと移っていってしまうのですね。
次回はその注目喚起について、詳しくお話しします。
まとめ
- 人間の根源的な欲求が「所属感」です。この所属感の満たし方を誤り、問題行動を起こしてしまうことがことがあります。それには問題の深刻さに応じて5段階あるとアドラー心理学で教えられています
- 問題行動の5段階の最初が「称賛の要求」です。称賛の要求は、子供であれば「いい子」を演じる、組織で働く人間であれば、上司や先輩にやる気や従順さをアピールすることです
- 称賛の要求の問題点は、行為そのものではなく、その目的-ほめられようとする-ことです。ほめられることを目的にすれば、ほめられれば努力を続けますが、ほめられなければ意欲を失い、建設的な行為をやめて、不適切な行為もやりかねないのです(次の段階である注目喚起へと移ります)
- 本来、仕事や勉強をするのは、人の役に立つためです。アドラー心理学では、人の役に立てていると感じ、そこに自分の価値や喜びを見出すことが勧められています
続きの記事はこちら
引用した書籍
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