勉強会主催の みなみ です。
今回のワークショップには10名以上の方にご参加いただきました。
今回は月に1度、招待をいただいている田町での会場でのワークショップで、多くの方にご参加いただき、とても嬉しく思います^^
梨のジャムをつくって、みんなに振る舞ってくれる人もいて、場も盛り上がり、ありがたかったです(ジャムももちろん美味しかったです!粗めの果肉の食感が個人的な好みとマッチしました)。
ワークショップでは、対人関係の問題にいかに対処するか、その適切な方法とは何かについてディスカッションしていただきました。
感情的に対応しない、話し合いの場を設ける、相手のニーズと利害をハッキリさせる、相手の話を聞いて理解し、自分の考えも伝えるなど、大切な心がけを共有してくださり、私自身も勉強になりました。
このように意見を交換できる場の有用性も改めて知らされる機会となりました^^
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アドラー心理学にみる、問題行動の5段階
今回のテーマは、
アドラー心理学に学ぶ「 “問題行動の5段階”と、そこから脱する方法」
についてでした。
アドラー心理学といえば、やはり『嫌われる勇気』と思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
発売から5年以上経ちますが、いまも売れ続けていて、累計発行部数は185万部超といわれています。ダブルミリオン達成も近いですね。
その『嫌われる勇気』の続編である『幸せになる勇気』もまたベストセラーとなっています。
『幸せになる勇気』のなかで紹介されている内容で、印象に残る言葉の1つが「問題行動の5段階」ではないでしょうか?
対人関係のトラブルを招いてしまう行動を、その問題の深さから5つの段階に分けて教えられています。
そもそも人間には、「私はここにいてもいいんだ」と思いたい欲求、「所属感」があります。
所属感は、「人間の根源的な欲求」ともいわれるように、それが満たされなければ自分の価値を感じられず、生きていけないとまで思うほど、非常に強い欲求です。
私たちは人とのつながりを持っていたい、それがなければ大変だ、と思って生きているのです。
その所属感を満たしたいがために、時として対人関係を悪化させる問題行動を取ってしまうのです。
そしてその行動はどんどんとエスカレートしていきます。
問題行動の5段階とは
- 称賛の要求
- 注目喚起
- 権力闘争
- 復讐
- 無力の証明
でした。
前回は、1段階目の「称賛の要求」についてお話ししました。
前回の記事はこちら
称賛の要求とは、子どもであれば親や教師に向かって「いい子」を演じる、社会人であれば上司や先輩にやる気や従順さをアピールする、それによってほめられようとすることです。
「いい子」で過ごしたり、やる気をアピールしたりすることは、それ自体はいいことですね。
なぜそれが問題行動なのかというと、「ほめられようとする」目的が問題なのです。
ほめられることを目的とすると、ほめられなければ「こんな行為に意味はない」と途端にやる気を失い、せっかくのよいことも放棄してしまうからです。
「ほめられればやる」「ほめられなければやらない」というライフスタイル(認知と行動のパターン)を身につけてしまい、他者に依存した関係を持ってしまうのですね。
他者への貢献や自己成長を目的とし、自ら進んでそのための行動をしていくこと、すなわち自立することがアドラー心理学の目標なのですが、そのままではその逆をいってしまいます。
さらに「ほめられなければやらない」は、「ほめられなければ、いいことをしても認められないのなら、悪いことをしてでも自分の存在を認めさせてやる」という考えにも発展しかねません。
それが次の段階の「注目喚起」です。
いいことをしてもほめられないと…? 負の注目を集めようとする人間の心理
問題行動の2段階目「注目喚起」とは、
せっかく「いいこと」をしたのにほめられないとないと(称賛を要求したのに、期待する称賛が得られないと)、「ほめられなくてもいいから、とにかく目立ってやろう」と考える、というものです。
私たちの根底には「所属感」があるため、周りとつながっていたいと思います。
そのために特別になろうとしていいことに励んだものの、承認が得られないとなれば、不適切な行為をすることで周りの注意を引き、特別扱いを受けようとするのです。
学生であれば、「いい子」を演じても称賛を得ることができない、認められない、軽視されていると感じると、そのままの状態でいるのは耐えられないため、悪いことをしてでも目立ち、存在をアピールするのですね。
そういう不適切なことはやるべきでないとは本人もわかっている、しかし適切な行為とは何かもわからないため、注目喚起に走ってしまう場合も多いでしょう。
注目喚起について、アドラーはこう語っています。
人は正しいことをして注目されないと時に「負の注目」を集めようとする。
人生をみじめにするような努力はやめるべきだ。
負の注目を集め、一時的には目立つことができたとしても、それによって本心から自分の価値を感じることはできませんね。
むしろ、「こんなことをして、自分は何をやっているのだろう」と、みじめな思いをしかねません。
そんな努力はやめるべきだ、とアドラーは厳しく忠告をしているのです。
この負の注目を集めようとして不適切な行為をしても、それでも注目もされない、かまってもらえないとなれば、どうなるでしょうか?
その注目喚起の次の段階が、「権力闘争」です。
権力闘争とはどのような行為なのか、次回、詳しくお話ししていきます。
まとめ
- アドラー心理学では、人間の根源的な欲求は「ここにいてもいいんだ」と思える「所属感」である、と教えられています。所属感を得たいがために対人関係で問題行動を取ってしまうことがあり、それには5段階ともいわれています
- 「称賛の要求」が問題行動とされるのは、ほめられようとする目的にあります。いいことをしてもほめられなければ、「悪いことをしてでも自分の存在を認めさせてやる」という「注目喚起」へとつながります
- 問題行動の2段階目が、不適切な行為をしてでも、とにかく目立ってやろうという「注目喚起」です。負の注目を浴びても、それでは自らの本当の価値を感じることができず、みじめな思いをすることになります
参考にした書籍
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