勉強会主催の ゆう です。
5月を迎えて、気温も上がってきて、半袖で過ごしている方も多く見かけるようになりました。
そんななかで、今回の勉強会には初めての方3名を含む、4名の方にご参加いただきました^^
連休ということで、出張先の京都からご自宅のある東京に戻られているなか、勉強会に来ていただいた方がいました。
連休中だからこそお話しする機会を持つことができ、巡り合わせに感謝です(^^)
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対人関係の悩み解決の出発点は「課題の分離」
今回の勉強会のテーマは、
ブッダとアドラー心理学に学ぶ「人間関係の悩み解消の3ステップ」
についてでした。
アドラー心理学では
人間の悩みはすべて対人関係の悩みである
といわれ、対人関係のあり方が重要視されています。
私たちは他者との関わりをなくして生きることはできず、対人関係を避けることはできません。
しかし対人関係のあり方次第では悩みを解消して、その対人関係から喜びを得て幸せに生きることさえできるのです。
では適切な対人関係のあり方とはどんなものなのか、悩みを解消するにはどのようなステップを踏めばいいかについて、続けてお話ししています。
まず、悩みを解消するときの出発点、最初のステップは「課題の分離」です。
他者の課題と自分の課題とに分けて、他者の課題に介入せずに、「自分にできることは何か」を考え、実行していく。そうしてこそ悩みの解消につながります。
相手の欠点を指摘したり、相手を責めたり、自分の価値観を押しつけたりするのは課題への介入になってしまい、相手との関係がますます悪くなってしまうため、気をつけなければなりません。
「あなたメッセージ」を「私メッセージ」へ変換する
課題への介入となる言葉が「あなたメッセージ(YOUメッセージ)」といわれます。
それに対するのが「私メッセージ(Iメッセージ)」であり、「あなたメッセージ」を「私メッセージ」へ変換していくことが対人関係を良好にするコツです。
前回は、2つのメッセージの違いを具体的にお話ししました。
前回の記事はこちら

たとえば、相手が待ち合わせに遅れてしまったとき。
「遅れるなんてひどい、最低」と言うのは、相手を責め、相手の悪いところを指摘する言い方であり、あなたメッセージです。
もちろん、相手に非があるのですが、それを一方的に悪いと決めつけてしまうと、相手は非を認めるどころか、言い訳したり、こちらの言い方を非難したりしてくるでしょう。
それに対して、「私は悲しかった、不安だった」と、自分の気持ちを伝える、意見として言うのが私メッセージです。
私メッセージを言われると、相手は言い訳したり、自己正当化をしたりする必要はなくなり、むしろ自分の言動を反省し、謝罪しようという気持ちになるかもしれません。
ただ、謝罪するかどうかは相手の課題であり、望ましい結果が得られるとは限りませんが、少なくとも言い争いになって関係がより悪化してしまうことはないでしょう。
このように「あなた→私」へメッセージを変えることで、対人関係のあり方も変化し、それが悩みの解消へとつながるのですね。
今回は、「あなた→私」へメッセージへの変換について、応用的な例を見ていきましょう。
信用と信頼の違いは?アドラー心理学で勧められる信じ方
相手が失敗をしたとき、裏切るような行為をしたときに
「そんな人だとは思わなかった」
ということを言ったり、思ったりしたことはないでしょうか。
期待に反すれば「私はあなたのことを信じていたのに、そんなひどいことをするなんて…」という思いが湧いてくるでしょう。
もちろん、相手の失敗や裏切りは受け入れがたいことなのですが、これは相手を限定的に信じていることの表れといえます(これは信用といわれます)。
「失敗しない、裏切らないあなたは信じる。でも失敗したら、裏切ったら信じない」という条件付きの信じ方であり、それは自分の価値観を押しつけていることになっているのです。
それに対して、「(失敗をしても、裏切っても)私はあなたを信じている」というのは無条件の信じ方です(これは信頼といわれます)。
相手を信頼してこそ、その相手と良好で深い関係を築くことができるのです。
あなたのことが誰かに信じてもらえるとすれば、どのように信じてもらいたいでしょうか?
相手の価値観に沿う場合は信じてくれるけれど、1回でも失敗したら拒絶されるような、その信じ方は嬉しくないでしょう。
たとえ失敗しても、「あなたはきっとうまくやれる。着実に上達している。できると信じているよ」と言われるほうが嬉しいですね。次こそうまくやろうと思えて、前向きな行動にもつながります。
このような、無条件で受けて入れてもらえる、信じてもらえるほどの安心感や喜びはありませんね。
自分がそのような信じ方は簡単にはできませんが、相手が相手のままでいることに価値をおき、相手の存在を受け入れ、相手のできているところに注目していきたいものです。
もちろん、裏切りを何度も続けるような相手であれば、やたらに信じるわけにもいきません。その場合は1対1での話し合いや、第三者からの対処も必要です。
ただ、はじめは相手を信頼するところからぜひ始めていきたいですね。
次回は、課題の分離と関連のある仏教の内容をご紹介します。
まとめ
- 対人関係の悩みを解消する最初のステップが「課題の分離」です。相手の批判をしたり、責めたりするなどの他者の課題への介入はせず、「自分にできることは何か」を考え、実行していくことが勧められています
- 課題への介入となる言葉が「あなたメッセージ」、自分の気持ち・価値観を伝えるのが「私メッセージ」です。私メッセージを伝えることで、相手からの共感が得られやすくなります
- 相手の信じ方には「信用」と「信頼」の2つがあります。相手を限定的に信じるのは「信用」、無条件に信じるのが「信頼」です。たとえ相手が失敗しても、自分の期待を裏切るようなことがあっても、相手を受け入れて信じ続けるのが信頼です(信用は相手の課題へ介入している、信頼は課題を分離しているといえます)
- 相手を信頼すると、相手はそれを喜び、前向きな行動が促されます。相手の存在を受け入れ、相手のできていることに注目することで、相手と深く良好な関係が築かれるでしょう
続きの記事はこちら

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