2/10(日)レポート アドラー心理学の目的論からみる“感情のメカニズム”-アドラー心理学に学ぶ 対人関係を円滑にする“横の関係”の築き方2

勉強会主催の みなみ です。

今回のワークショップには初めての方3名を含む、5名の方にご参加いただきました。

今回は小・中学校で先生をされている方や、社長さんなど、普段はなかなかお話しする機会の少ない職種の方とお話しでき、学ばせていただくことも多かったと感じます^^

ワークショップ中にも深く考えさせられるご質問もいただき、より刺激をいただくことができました。

今回の学びを、今後にもぜひ活かしていきたいと思います。

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感情は行動の原因ではない?アドラー心理学からみる、感情のメカニズム

今日のテーマは、
「アドラー心理学に学ぶ 対人関係を円滑にする“横の関係”の築き方
についてでした。

アドラー心理学では、対人関係のあり方を「縦の関係」と「横の関係」とに分け、「横の関係」を築いてこそ、相手に対してネガティブな感情を抱くことなく、対人関係を良いものにすることができる、といわれています。

ではどうすれば横の関係を築くことができるのか? そのメソッドを順にご紹介しています。

前回は、そもそも感情とはどういうものかについてお話ししました。

前回の記事はこちら

11/4(日)レポート 感情は目的を達成するための手段?感情に振り回される理由とは-アドラー心理学に学ぶ 対人関係を円滑にする“横の関係”の築き方1
勉強会主催の みなみ です。 今回のワークショップには初めての方5名を含む、12名の方にご参加いただきました! 前日に続いてたくさんの方にご参加いた...

感情について、アドラー心理学のパイオニアでもあり、精神科医の野田俊作さんは

感情というのは、行動の原因ではなくて、目的を達成するための手段なんです。

(『劣等感と人間関係 (アドラー心理学を語る3)』より引用)

といわれています。

ふつうは、「こんなことやってはいけないとわかっていたけれど、感情を抑えることができずにやってしまった」と思われるでしょう。

しかしアドラー心理学では、感情というのはその行動の原因ではなく、目的を達成するための手段、目的を達成するためにつくり出しているもの、と言われているのですね。

これはどういうことかについて、前回ご紹介したのとは違った例を取り上げ、お話しします。

大声で怒鳴ったのは怒りの感情のせいではない?アドラー心理学の見解とは

「感情は行動の原因ではなく、目的を達成するための手段」ということについて、『嫌われる勇気』の中にわかりやすく解説している例があります。

『嫌われる勇気』は、哲人と青年との対話形式でアドラー心理学について解説をされている、アドラーブームの火付け役となったベストセラーですね。

その例は、青年が喫茶店でコーヒーを注文したときの話です。

その際に店員さんが、注文したコーヒーを誤って青年にこぼしてしまったのです!

すると青年はキレて、店員さんに罵声を浴びせた、ということがありました。

みなさんにも、故意ではなかったとして店員さんに失礼な対応を受け、思わず怒鳴ったしまった、そういうご経験があるかもしれません。

その出来事について、青年はこう語っています。

これはどう考えても「原因」ありきの行動でしょう?

だって、あまりに突発的な出来事でしたからね。

考えるよりも先に声が出てしまったのです

(『嫌われる勇気』より引用)

青年の主張は、共感できる方がほとんどだと思います。感情が先にあって、それが抑えきれなくなって大声を上げてしまった、ということですね。

ところが哲人はそれに対して、こう言われています。

あなたは「怒りに駆られて、大声を出した」のではない。

ひとえに「大声を出すために、怒った」のです。

つまり、大声を出すという目的をかなえるために、怒りの感情をつくりあげたのです

(『嫌われる勇気』より引用)

大声を出すために怒ったのであり、そのために怒りの感情がつくられた。この発言に青年は驚き、とても認めようとはしませんでしたが、

目的を達成するための手段として、感情をつくり上げている

これがアドラー心理学の見解(目的論といわれます)なのですね。

「相手を支配したい、好きなようにしたい」という目的が先にあり、それを達成するための手段として感情をつくり出している、
感情的になれば、相手を従えやすいですし、「感情的になっていたから仕方なかったんだ」と言い訳もできる、ということなのです。

怒りの感情を露わにした後で、「あのときの自分は自分ではなかった」という人がいますが、あのときの自分の感情・行動も自分の意思でつくり出していた、ということなのですね。

なかなか受け入れ難い考え方かもしれませんが、この目的論にもとづけば、「相手を支配したい、好きなようにしたい」という目的を変えれば、そもそも感情的になる必要はなく、ネガティブな感情で苦しまなくてもよくなる、ともいえるのです。

 

次回は、怒りの感情が沸き起こるもう1つの側面をお話ししていきます。

まとめ

  • アドラー心理学では対人関係のあり方に「縦の関係」「横の関係」があると教えられています。横の関係を築いてこそ、感情で相手を押さえつける必要はなくなり、対人は良好になり得ます
  • アドラー心理学で感情は、行動の原因ではなく、目的を達成するための手段といわれています。感情を抑えられずにやったのではなく、相手を支配するために感情をつくり出したと教えられるのです
  • 『嫌われる勇気』では感情に関して、「怒りに駆られて、大声を出した」のではなく、「大声を出すという目的をかなえるために、怒りの感情をつくりあげた」と説明されています。感情的なほうが相手を従えやすくて便利だから、そのために感情を生み出しているのです

続きの記事はこちら

3/3(日)レポート 怒りが起き、権力闘争に発展する原因は?その元にある思い込み-アドラー心理学に学ぶ 対人関係を円滑にする“横の関係”の築き方3
勉強会主催の みなみ です。 今回のワークショップには初めての方5名を含む、14名の方にご参加いただきました。 天候はあいにくの雨でしたが、多くの方...

引用した書籍

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

劣等感と人間関係 (アドラー心理学を語る3)

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コンテンツブッダとアドラー心理学レポート
この記事を書いた人
南 雄一郎

2011年 金沢大学工学部 卒業

大学では機械工学を専攻するなか、悩み解消のヒントや生きる指針を教える仏教に強い関心を持ち、仏教講演会に多数参加しました。

また大学卒業後は仏教と親和性のある心理学にも興味を持ち、独学で学びました。

現在は東京都内でライターをしながら、対人関係の悩みを解消し、自立した生き方の実現を目的とした 仏教×心理学のワークショップを開催しています。

自主開催のワークショップは累計500回以上。

2018年 新潟県キャリアセンター様主催 キャリアコンサルタント フォローアップセミナーにて講師をつとめました。

NPC法人HMC協会 認定心理カウンセラー(セルフ資格) 。

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