勉強会主催の みなみ です。
今回のワークショップには初めての方お2人を含む、6名の方にご参加いただきました^^
心理学・仏教、ともにほぼ初めて学ばれる方や、交流分析を詳しく学ばれている方、社員マネジメントに携わっている方、続けてワークショップに参加いただいている方など、幅広くご参加くださり、皆さん気づきを得ていただいてようで、よかったです。
私自身も皆さんとのお話の中から気づきをいただき、このような機会を持てて、嬉しく思います(^^)
今回のテーマである「承認欲求」に振り回されることなく、貢献感を持ち、相手への援助や自己主張も心がけ、良好な関係構築に努力していきたいと思います。
※記事の内容を動画でもご紹介しています
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自立した生き方をする第一歩は「課題を分離する」
今回のテーマは、
ブッダとアドラー心理学から学ぶ「悩みを解消する“承認欲求との向き合い方” 」
でした。
アドラー心理学では、
人間の悩みはすべて対人関係の悩みである
といわれ、私達の悩みには必ず他者の存在があると教えられています。
対人関係で特に問題になることの1つが「承認欲求」です。
「人からほめられたい、認められたい」という承認欲求は誰にでもありますね。それが満たされないと、自分は必要のない人間、価値のない人間のように思えてしまい、それゆえに苦しみを抱えてしまう人もいるでしょう。
その承認欲求にとらわれることなく、精神的に健康に、安定して生きるにはどうすればいいのでしょうか。
他者に依存し、自分の価値を他者に決めてもらうのではなく、自分で自分自身の価値を決める(=自立する)最初のステップとして、前回ご紹介したのが「課題の分離」でした。
他者とのトラブルや他者への不快な感情に対して、自分の課題と相手の課題とを分離する・切り離すことで、そのトラブルの解消へと向かえます。
それとは反対に、承認を求めること、お礼や称賛を求めることは、他者の課題に介入することとなり、関係の悪化につながってしまうのです。
前回、課題の分離の具体例、他者の課題への介入の問題点についてご紹介しましたので、ぜひご参照ください
では他者の課題に介入することなく、承認欲求に対処するには具体的にどうすればいいのでしょうか。
それには「他者貢献感」を持つことが勧められているのです。
今回は、アドラー心理学のキーワードの1つである「他者貢献感」について、詳しくお話ししていきます。
アドラー心理学のキーワード「他者貢献感」とは?あるべき対人関係の形
「他者貢献感」とは、「『自分は役に立つ、他の人の役に立つ』ということを感じている状態」のことをいいます。
他者に貢献していくことは生きていく上で欠かせません。貢献してこそ対価としてお金ももらえますし、他者に支えてもらわなければ自由に暮らすこともできませんね。
ただ、貢献すると、それだけ「人から認めてほしい、ほめられたい」という気持ちになっていきます。
しかしアドラー心理学では、承認を求めるのは他者の課題への介入となるので、「役に立てている」と主観的に思えていればそれでいい、と言われているのです。
ベストセラー『嫌われる勇気』の続編である『幸せになる勇気』では、こう勧められています。
「わたしは誰かの役に立っている」という主観的な感覚があれば、すなわち貢献感があれば、それでいい。それ以上の根拠を求める必要はない。
貢献感のなかに、幸せを見出そう。
貢献感のなかに、喜びを見出そう。
貢献感があればそれでいいのであり、その貢献感のなかに幸せ、喜びを見出そうと言われています。
また、別のアドラー心理学に関する書籍『生きる勇気とは何か』では、目指すべき対人関係のあり方をこう教えられています。
先に「〔他者から〕期待するが、〔自分からは〕何も与えない」人について見た。
アドラーは、むしろ、これを逆転するのだ。
「〔他者から〕期待せず、〔自分から〕何かを与える」と。
「他者に期待はするが、自分から何も与えない」人というのは問題外ですね。相手への過度な期待は他者の課題への介入となり、自分から何も与えない、貢献しないのでは、他者との関係も悪くなる一方でしょう。
アドラーが目指すべきとする対人関係はこの反対、逆転したもの、といわれています。
「他者には過度に期待せず、課題への介入をしない。自分からは貢献をしていき、貢献感を持って生きる」
これが理想とすべき対人関係なのですね。
もちろん承認欲求は人間である限り、なくすことはできないもので、どうしても承認を求めてしまったり、相手に大きく期待したり、自分の価値観を押しつけたりしてしまうこともあるでしょう。
だからこそ、あるべき対人関係を知って、そこに向かう努力をしていくことが大切なのですね。
次回は、アドラー心理学で教えられる自立した生き方と関連する、仏教の教えについてお話ししていきます。
まとめ
- 承認欲求にとらわれることなく、精神的に健康に安定して生きるには、自分で自分の価値を決定する(=自立する)ことです。その最初のステップが「課題の分離」であり、相手の課題に介入しないこと(承認欲求の問題でいえば、承認や称賛を求めないこと)が勧められています
- 承認を求めるのではなく、他者貢献感を持つことによって自立することができます。他者貢献感とは、「私は役に立てている」という主観的な感覚です。貢献感から幸せ・喜びを見出そうといわれています
- アドラー心理学で目指すべき対人関係のあり方は「他者から期待せず、自分からは何かを与えること」です。自立するために「他者に期待しない。それでいて貢献感を持ちたい」という思いを抱き、他者貢献に踏み出すことが大切です
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引用した書籍
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