9/22(日)レポート 承認欲求に対処するには?キーワードは「他者貢献感」-アドラー心理学に学ぶ 承認欲求との向き合い方7

勉強会主催の みなみ です。

今回のワークショップには初めての方お2人を含む、6名の方にご参加いただきました^^

心理学・仏教、ともにほぼ初めて学ばれる方や、交流分析を詳しく学ばれている方、社員マネジメントに携わっている方、続けてワークショップに参加いただいている方など、幅広くご参加くださり、皆さん気づきを得ていただいてようで、よかったです。

私自身も皆さんとのお話の中から気づきをいただき、このような機会を持てて、嬉しく思います(^^)

今回のテーマである「承認欲求」に振り回されることなく、貢献感を持ち、相手への援助や自己主張も心がけ、良好な関係構築に努力していきたいと思います。

※記事の内容を動画でもご紹介しています

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自立した生き方をする第一歩は「課題を分離する」

今回のテーマは、
ブッダとアドラー心理学から学ぶ「悩みを解消する“承認欲求との向き合い方”
でした。

アドラー心理学では、

人間の悩みはすべて対人関係の悩みである

といわれ、私達の悩みには必ず他者の存在があると教えられています。

対人関係で特に問題になることの1つが「承認欲求」です。

「人からほめられたい、認められたい」という承認欲求は誰にでもありますね。それが満たされないと、自分は必要のない人間、価値のない人間のように思えてしまい、それゆえに苦しみを抱えてしまう人もいるでしょう。

その承認欲求にとらわれることなく、精神的に健康に、安定して生きるにはどうすればいいのでしょうか。

他者に依存し、自分の価値を他者に決めてもらうのではなく、自分で自分自身の価値を決める(=自立する)最初のステップとして、前回ご紹介したのが「課題の分離」でした。

他者とのトラブルや他者への不快な感情に対して、自分の課題と相手の課題とを分離する・切り離すことで、そのトラブルの解消へと向かえます。

それとは反対に、承認を求めること、お礼や称賛を求めることは、他者の課題に介入することとなり、関係の悪化につながってしまうのです。

前回、課題の分離の具体例、他者の課題への介入の問題点についてご紹介しましたので、ぜひご参照ください

2/5(火)レポート 承認欲求にとらわれないために…自立への最初のステップ「課題の分離」-アドラー心理学に学ぶ 承認欲求との向き合い方6
勉強会主催の みなみ です。 今回のワークショップには初めての方2名を含む、4名の方にご参加いただきました^^ 今年から武蔵小杉でもスペースをお借りして、ワーク...

では他者の課題に介入することなく、承認欲求に対処するには具体的にどうすればいいのでしょうか。

それには「他者貢献感」を持つことが勧められているのです。

今回は、アドラー心理学のキーワードの1つである「他者貢献感」について、詳しくお話ししていきます。

アドラー心理学のキーワード「他者貢献感」とは?あるべき対人関係の形

「他者貢献感」とは、「『自分は役に立つ、他の人の役に立つ』ということを感じている状態」のことをいいます。

他者に貢献していくことは生きていく上で欠かせません。貢献してこそ対価としてお金ももらえますし、他者に支えてもらわなければ自由に暮らすこともできませんね。

ただ、貢献すると、それだけ「人から認めてほしい、ほめられたい」という気持ちになっていきます。

しかしアドラー心理学では、承認を求めるのは他者の課題への介入となるので、「役に立てている」と主観的に思えていればそれでいい、と言われているのです。

ベストセラー『嫌われる勇気』の続編である『幸せになる勇気』では、こう勧められています。

「わたしは誰かの役に立っている」という主観的な感覚があれば、すなわち貢献感があれば、それでいい。それ以上の根拠を求める必要はない。

貢献感のなかに、幸せを見出そう。

貢献感のなかに、喜びを見出そう。

貢献感があればそれでいいのであり、その貢献感のなかに幸せ、喜びを見出そうと言われています。

また、別のアドラー心理学に関する書籍『生きる勇気とは何か』では、目指すべき対人関係のあり方をこう教えられています。

先に「〔他者から〕期待するが、〔自分からは〕何も与えない」人について見た。

アドラーは、むしろ、これを逆転するのだ。
〔他者から〕期待せず、〔自分から〕何かを与える」と。

「他者に期待はするが、自分から何も与えない」人というのは問題外ですね。相手への過度な期待は他者の課題への介入となり、自分から何も与えない、貢献しないのでは、他者との関係も悪くなる一方でしょう。

アドラーが目指すべきとする対人関係はこの反対、逆転したもの、といわれています。

他者には過度に期待せず、課題への介入をしない自分からは貢献をしていき、貢献感を持って生きる

これが理想とすべき対人関係なのですね。

アドラー心理学 あるべき対人関係の形

もちろん承認欲求は人間である限り、なくすことはできないもので、どうしても承認を求めてしまったり、相手に大きく期待したり、自分の価値観を押しつけたりしてしまうこともあるでしょう。

だからこそ、あるべき対人関係を知って、そこに向かう努力をしていくことが大切なのですね。

 

次回は、アドラー心理学で教えられる自立した生き方と関連する、仏教の教えについてお話ししていきます。

まとめ

  • 承認欲求にとらわれることなく、精神的に健康に安定して生きるには、自分で自分の価値を決定する(=自立する)ことです。その最初のステップが「課題の分離」であり、相手の課題に介入しないこと(承認欲求の問題でいえば、承認や称賛を求めないこと)が勧められています
  • 承認を求めるのではなく、他者貢献感を持つことによって自立することができます。他者貢献感とは、「私は役に立てている」という主観的な感覚です。貢献感から幸せ・喜びを見出そうといわれています
  • アドラー心理学で目指すべき対人関係のあり方は「他者から期待せず、自分からは何かを与えること」です。自立するために「他者に期待しない。それでいて貢献感を持ちたい」という思いを抱き、他者貢献に踏み出すことが大切です

続きの記事はこちら

2/1(土)レポート 「親切をしたときは3つのものを忘れなさい」仏教で勧められる対人関係のあり方-アドラー心理学に学ぶ 承認欲求との向き合い方8
勉強会主催の みなみ です。 今回のワークショップには初めての方お2人を含む、7名の方にご参加いただきました。 初めての方との交流もあり、2回目のご参加の方、長...

引用した書籍

幸せになる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教えII

生きる勇気とは何か アドラーに学ぶ

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ブッダとアドラー心理学コンテンツレポート
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この記事を書いた人
南 雄一郎

2011年 金沢大学工学部 卒業

大学では機械工学を専攻するなか、悩み解消のヒントや生きる指針を教える仏教に強い関心を持ち、仏教講演会に多数参加しました。

また大学卒業後は仏教と親和性のある心理学にも興味を持ち、独学で学びました。

現在は東京都内でライターをしながら、対人関係の悩みを解消し、自立した生き方の実現を目的とした 仏教×心理学のワークショップを開催しています。

自主開催のワークショップは累計850回以上。

2018年 新潟県キャリアセンター様主催 キャリアコンサルタント フォローアップセミナーにて講師をつとめました。

NPC法人HMC協会 認定心理カウンセラー(セルフ資格) 。

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