勉強会主催の みなみ です。
今回のワークショップには、初めての方2名を含む、9名の方にご参加いただきました。
多くの方がご参加くださり、嬉しく思います^^
初めて参加される方がおられるのも嬉しいのですが、「前回、多くのヒントをもらえてよかったので、また参加しました」と言われ、リピートされる方がおられるのも、少しでもお役に立てたと実感ができるので、非常に嬉しいです。
また参加したいと思われるような話の構成、中身の充実、雰囲気づくりに努めていきたいと思います。
記事の内容を動画でもご紹介しています
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対人関係のトラブルを防ぎ、良好なものにする「課題の分離」
今回の勉強会のテーマは
アドラー心理学に学ぶ「対人関係を激変させる“課題の分離”」
についてでした。
アドラー心理学では「共同体感覚」や「劣等コンプレックス」など、特有の言葉が多く使用されています。そのなかでも特に印象に残るのが「課題の分離」ではないでしょうか?
“対人関係を激変させる”といわれるほど、これまでの対人関係のあり方をガラッと変える考えですね。
課題の分離とは、対人関係において、自分の課題と相手の課題とを分けることです。
課題とは何かというと、
「あることの最終的な結末が誰にふりかかるのか」
「あることの最終的な責任を誰が引き受けなければならないか」
を指します。
わかりやすい例が、親が、子供が勉強しないことに悩んでいるケースです。
この場合、勉強するかしないかというのは子供の課題ですね。勉強するかしないかを決定するのは子供であり、また、勉強しないことによる報いを最終的に受けるのも子供だからです。
では親の課題は何かというと、子供が勉強しないことにどう対応するか、ということでしょう。
親の課題 | 子供の課題 |
勉強しないことにどう対応するか | 勉強するか、しないか |
この際に守るべきルールが、相手の課題に介入しないこと、相手の課題に土足で踏み込まないことです。
課題への介入とは、相手に選択権があるのに、相手の気持ちを汲み取らずに無理矢理それをやらせようとしたり、やらないことを批判したりすることですね。
先のケースでいえば、親が子供に一方的に「勉強しなさい」と命じたり、「どうして勉強やらないの?」と批判したり、「何度言っても、わからないのね」とレッテルを貼ったりすることが当たります。
子供の立場からすると、自分の考えも聞かずに一方的にそう言われて、勉強へのやる気が出るかというと、おそらくその反対で、やる気が削がれてしまいますね。
「いま、やろうと思っていたのに!」と言うのがオチでしょう苦笑
そのような介入を続ければ、相手との関係はどんどん悪化していきます。
ゆえに相手の課題に介入しないことで、対人関係のトラブルを防ぐことになるのです。
介入するのではなく、相手の事情を知って共感する、自分の必要としていることや気持ちを伝えることで、相手との関係や状況を良い方向に進めることが可能になります。
介入せずに、相手との関係を良くしていく具体的な方法はこちら(Iメッセージについて)
今回は、自分の課題に踏み込ませないための方法-自己尊重についてお話ししていきます。
自分の課題に踏み込ませない!自己尊重してもらう3つのポイント
対人関係においては、他者の課題に介入しないようにするのと同時に、自分の課題に土足で踏み込まれないようにするのも大切です。
自分の課題に介入させないためには、自分を大切に扱ってもらうよう主張する必要があります。この、自分を大切に扱ってもらうことは「自己尊重」といわれます。
自己尊重してもらうよう伝え、周囲に意識してもらえてこそ、建設的な関係になれるのですね。
もし自己尊重してもらうよう伝えなければ、周囲にとって自分は「この人になら何を頼んでもいい」と思われ、都合のいい人になります。
嫌なことは嫌と言わなければ、平気でゴミを投げ入れられるような存在になってしまいます。すると、自分はダメな存在だと思い、ますます自己主張できないという悪循環にも陥ってしまいますね。
そんな悪循環にハマることなく、自己尊重してもらうよう伝えるにはどうすればいいのか? その3つのポイントをご紹介します。
①相手にしてほしい(してほしくない)ことを具体的に声に出して要望する
何をしてほしいのか、あるいは何をしてほしくないのかを具体的に言わなければ相手には伝わらず、自己尊重につながりません。
まず、明確に「~をしてほしいです(~はしてほしくないです)」と要望しましょう。
その際に、一方的に要求するのではなく、なぜそれを要求するのかという理由、自分の気持ちを伝えることが大切です。
「~をされると、自分が軽く扱われていると感じるので、つらいです。だから~をやめていただきたいのですが」
という伝え方をすれば、相手の共感を得やすいでしょう。
②相手からの要望に対して「YES」と「NO」の基準を決めて決断する
相手の言うことに対して、何でも「YES」と言っていると、「この人には何を言ってもいいな」と思われ、軽く扱われるようになり、課題に土足で踏み込まれるようになってしまいます。
そこで、「こういうことにはYESと言うけれど、これには必ずNOと言おう」という基準を決め、それに基づいて返事をするようにしてみましょう。
③聞きたくないことを言う人と距離を置く
してほしくないことを伝え、基準に従ってNOと言っていても、それでもしつこく自分の課題に土足で踏み込んでくる人もいますね。
NOと言うことに対して、「断るなんて、自分勝手な人だ」と批判までしてくる人もいるかもしれません。
そのような人とは、可能な限り距離を置くことで、自己評価を下げるのを防ぐことができます。
さすがにこの人とよい関係を築くのは難しいと感じたなら、離れることも大切な選択肢となりますね。
3つのポイントが、自己尊重の実現の一助になればと思います。
まとめ
- 課題の分離は、対人関係を激変させる、いわれるほどの対人関係のあり方を良好にする手法です。相手に選択権のある課題に介入せず、自分と相手の課題とに分けることで、トラブルを防ぐことができます
- 相手の課題に土足で踏み込み、介入するのではなく、相手の事情を知って共感する、自分の必要としていることや感情を相手に伝えることで、関係性は良くなっていきます
- 課題の分離では、自分の課題に踏み込ませないことも大切です。そのためには自分を大切に扱ってもらうこと、「自己尊重」してもらうことを伝えるのも必要です
- 自己尊重の3つのポイントが、次のものです
- 相手にしてほしい(してほしくない)ことを具体的に声に出して要望する
- 相手からの要望に対して「YES」と「NO」の基準を決めて決断する
- 聞きたくないことを言う人と距離を置く
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