11/17(日)レポート 嫌な感情は出てこなくなる?「横の関係」の素晴らしい効果-アドラー心理学に学ぶ 対人関係を円滑にする“横の関係”の築き方5

勉強会主催の みなみ です。

今日は風がかなり強かったものの、快晴で、気持ちのよい天気でしたね。

そのなかでのワークショップには、初めての方お1人を含む、7名の方にご参加いただきました。

夏以来のご参加で、久しぶりにお会いできた方もいて、お話も弾み、有意義な時間を過ごすことができました^^

ディスカッションや気づきのシェアでも、みなさん積極的に発言いただき、盛り上げてくださって、感謝です(^^)

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対人関係で必ずトラブルが生じる「縦の関係」とは?

今日のテーマは、
「アドラー心理学に学ぶ 対人関係を円滑にする“横の関係”の築き方
についてでした。

アドラー心理学では人間の悩みについて、

人間の悩みはすべて対人関係の悩みである

と教えられています。

イライラしたり、不満に思っていたりしているなどの悩んでいるときには、必ず他者の存在が関係しているのですね。

では他者との関係をよくし、悩みを解消するにはどうすればいいのでしょうか?

対人関係でトラブルが生じるのは、それが「縦の関係」であるからだ、といわれています。

縦の関係とは、「支配する、される」の関係、相手を都合よくコントロールしようとしている関係をいいます。

そのような縦の関係を構築すると、どうなるのでしょうか。

精神科医で、アドラー心理学のカウンセリング指導者でもある野田俊作さんは、

それ(横の関係)以外の場合は何かのトラブルがある。

下にされたほうは必ず上になろうとしますから。ずっと下でいるのは誰だっていやですから。

(『劣等感と人間関係 (アドラー心理学を語る3)』より引用)

と言われています。

下にされたほうは、立場上、従わなければならず、上の人の言うことを聞き続けるでしょうが、それは決して善意からではありませんね。
だんだんと不満がたまっていき、やがては爆発するかもしれません。

たとえ爆発することはなかったとしても、不満やイライラの感情は言動、態度に表れてくるでしょう。
これでは関係は悪化するばかりですね。

前回はこのように、縦の人間関係がもたらす問題について詳しくお話ししました。

前回の記事はこちら

7/14(日)レポート 縦の人間関係がもたらす問題とは-権力闘争、復讐… 必ず生じるトラブル|アドラー心理学に学ぶ 対人関係を円滑にする“横の関係”の築き方4
勉強会主催の みなみ です。 3連休の中日、あいにくの雨模様でしたが、ワークショップには初めての方5名を含む、14名の方にご参加いただきました。 とても多くの方...

今回は、縦の関係とは反対の「横の関係」が築かれることで得られる効果をご紹介していきます。

「横の関係」に入れば、感情はそもそも出てこなくなる

「支配する、される」の縦の関係に対して、横の関係とは「立場は違っていても対等な関係」のことです。

縦の関係、横の関係

上司と部下、後輩と先輩、親と子といった立場の違いはあったとしても、同じ目線で接するのは横の関係なのですね。

この横の関係が続くとどうなるかについて、先の野田さんはこう言われています。

協力的な関係、信頼関係に入ってきますと、怒りとか、憂うつとか、不安とかいうものがそもそも出てこないのです

それよりももっと便利な方法をたくさん身につけるので、出てこなくなる

(『劣等感と人間関係 (アドラー心理学を語る3)』より引用)

協力的な関係、信頼関係(=横の関係)が築かれていれば、そもそも相手を支配する、コントロールする必要はなく、ゆえに怒りや憂うつ、不安といった感情は出てこなくなる、つくり出す必要がなくなります。

傾聴して、相手の事情を知って共感する、問題点をフィードバックする、課題の解決ができるようサポートするなどのもっと便利な方法を身につけるので、負の感情はいらないのですね。

むしろ、感情を出して無理やり相手を支配しようと思っても、その効果は一時的で、やがては関係の悪化を招くでしょう。

感情的になって相手を叱りつけることについて、『幸せになる勇気』ではこう指摘されています。

叱責を含む「暴力」は、人間としての未熟さを露呈するコミュニケーションである。

怒りのままに叱責するのは、傾聴をはじめとした適切なコミュニケーションができないこと、その大切さを理解していないことを露呈していることになる、ということですね。

横の関係に入れば、すでに信頼関係を築くための方法を実践しているので、感情は不要になるのです。

横の関係を築くには?「私にできることは何かを絶えず考え続ける」

では縦の関係をなくして、横の関係を築くにはどうすればいいのでしょうか?

そのメソッドを3つに分けてご紹介していきます。

1つ目は「私にできることは何かを、絶えず考え続ける」です。

野田さんはこうアドバイスをされています。

精神的に健康なパーソナリティーになるコツを言いましょう。

私にできることは何かを、絶えず考え続けること

人を変えようと思っている限り、相手は変わりません。

私が変わろうと思ったら変わる。

この世の中で変えることができる人間は、自分一人だけ。

(『劣等感と人間関係 (アドラー心理学を語る3)』より引用)

人を変えようと思っても、相手はそうは変わりません。それどころか、下にされたほうは不満がたまっていき、上にあがろうとする、というのは先でお話ししました。

変えることができるのは自分一人だけであり、自分を変える。そうすれば結果的に相手が変わるということがあるのですね。

その時に実践したいのが「課題の分離」です。

課題の分離とは何か、
また、横の関係を築くためのほかのメソッドについては次回、詳しくご紹介します。

まとめ

  • アドラー心理学では対人関係のあり方に「縦の関係」「横の関係」があると教えられています。縦の関係は「支配する・される」の関係であり、負の感情をもたらし悪化の一途をたどる関係です
  • 縦の関係に対して横の関係は、「立場は違っていても対等な関係」であり、同じ目線で接する関係です。横の関係では相手をコントロールする必要はないため、相手を支配するための怒りや不安といった感情はそもそも出てこなくなります
  • 横の関係を築くには「私にできることは何かを、絶えず考え続けること」です。相手は変えようと思っても変わらず、さらなる関係の悪化を招きます。自分を変えれば、結果的に相手が変わるということがあるのです

引用した書籍

劣等感と人間関係 (アドラー心理学を語る3)

幸せになる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教えII

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この記事を書いた人
南 雄一郎

2011年 金沢大学工学部 卒業

大学では機械工学を専攻するなか、悩み解消のヒントや生きる指針を教える仏教に強い関心を持ち、仏教講演会に多数参加しました。

また大学卒業後は仏教と親和性のある心理学にも興味を持ち、独学で学びました。

現在は東京都内でライターをしながら、対人関係の悩みを解消し、自立した生き方の実現を目的とした 仏教×心理学のワークショップを開催しています。

自主開催のワークショップは累計750回以上。

2018年 新潟県キャリアセンター様主催 キャリアコンサルタント フォローアップセミナーにて講師をつとめました。

NPC法人HMC協会 認定心理カウンセラー(セルフ資格) 。

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