勉強会主催の みなみ です。
今回のワークショップには初めての方8名を含む、22名の方にご参加いただきました!
新年初めてとなるワークショップで、過去いちばん多くの方にご参加いただき、とても良いスタートを切ることができました。
ご参加いただいた方に本当に感謝の思いです。
初めて参加された方で、
「具体的な事例で学べたり、参加者の方から学べたりと、実り多い時間を過ごすことができました」
という感想をいただきました。
ディスカッションを通して、参加者の方同士でも交流と学びを深めていただき、嬉しく思います。
今後も、実りの多い時間をご提供できるように努めていきたいと改めて感じました。
※記事の内容を動画でもご紹介しています
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アドラー心理学から知る、承認欲求を満たすことの問題点とは?
今回のテーマは、
ブッダとアドラー心理学から学ぶ「悩みを解消する“承認欲求との向き合い方” 」
でした。
アドラー心理学には、「トラウマの否定」や「課題の分離」、「共同体感覚」など、印象的な言葉が数多くありますね。
その中の1つに確実に上がってくるのが「承認欲求の否定」でしょう。
ベストセラー『嫌われる勇気』には、承認欲求を否定し、他者から自由になるべきであると述べられています。
なぜ承認欲求を否定すべきかというと、承認欲求を満たすことには問題があるからです。
それは、
「承認には終わりがなく、常に外部から与えられないといけないこと」
「他人の評価(=承認)は常に変化し、続かないこと」
でした。
前回は、他人の評価が一定ではなく変化することの問題点を詳しくお話ししました。
前回の記事はこちら
今回も引き続き、他人の評価の当てにならなさを、具体的なエピソードを通してお話しします。
あてにならない?都合によって一変する他人の評価
写真の人物は誰か、ご存知でしょうか?
フランス革命後に皇帝の座についた、ナポレオンですね。
巨大な軍隊を築き上げて連戦連勝、ついにはヨーロッパ全土を席巻するようになりました。
イタリア、オーストリアと戦い、いずれにも勝利したナポレオン軍がパリの凱旋門に戻ってきたときのこと。多くの国民が熱烈に歓迎しました。
ところがナポレオンは少しも喜びを見せません。
家臣が気になってナポレオンにたずねました。
「閣下、なぜあなたはそんな浮かない顔をしておられるのですか。
あれを見てください。何万というパリの群衆が、あなたを歓迎しているではありませんか?」
それに対してナポレオンは冷然とこう語ったそうです。
あいつらは俺が勝っている将軍だから、このように歓迎してくれているが 、一度戦争に負けはじめてみろ、たちまち奴らは俺を『断頭台へ送れ』 と叫ぶだろう。
大衆の付和雷同ほどあてにならないものはない。
ナポレオンは、都合によってコロコロと変わってしまう人間の評価の本質を見抜いていたのですね。
実際に、この後、ナポレオンがロシア遠征に失敗すると、それまでの評価が一変し、迫害を受けることになったのはご存知だと思います。
しかし人間の評価の本質をすでに見抜いていたナポレオン自身は、失脚後も毅然とした態度を崩さなかったともいわれています。
他人の評価がいかに変わりやすいかということ、そして信念あればこそ、それにとらわれない生き方ができるのだとわかります。
しかし、変わりやすい他人の評価を拠りどころとすれば、生きづらさを抱き、精神状態は不安定になってしまうのですね。
他者に価値を決められる「依存」から、自らが価値を決定する「自立」へ
承認欲求を満たそうとすることは、他人に自分の価値を委ねることであり、依存した状態といわれています(以下は『幸せになる勇気』より引用)。
「わたし」の価値を、他者に決めてもらうこと。それは依存です。
一方、「わたし」の価値を、自らが決定すること。これを「自立」と呼びます。
依存とは反対に、自らが自分の価値を決定することが自立であり、アドラー心理学で目指すべきは自立した状態です。
自立してこそ、他人の評価にとらわれることなく、精神的に安定し、建設的な行動に踏み出すことができるようになります。
ではそんな自立した状態になるには、どうすればいいのでしょうか?
次回、自立するための2つのステップをご紹介します。
まとめ
- ベストセラー『嫌われる勇気』には、「承認欲求を否定せよ」と教えられています。それは承認欲求を満たすことには、「承認には終わりがなく、常に外部から与えられないとやる気にならない、安心できない」「他人の評価は常に変化し、続かない」という問題点があるからです
- フランスの皇帝 ナポレオンは、一変してあてにならないのが他者の評価であることを見抜いていて、国民からの熱烈な歓迎を受けても喜ばず、失脚後も毅然とした態度を崩しませんでした
- 承認欲求を満たそうとするのは、相手に自分の価値を決めてもらうことであり、「依存」した状態といわれています。それとは反対に、自分で自分の価値を決定すること(=自立)こそ、アドラー心理学の目標なのです
続きの記事はこちら
引用した書籍
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