勉強会主催の みなみ です。
今回のワークショップには、初めての方お2人を含む、8名の方にご参加いただきました^^
コロナウイルスの影響が心配されましたが、お昼のワークショップに続いて多くの方にご参加いただき、ありがたく思います。
特に今回は、お昼に続けて来られた方、久しぶりにお会いした方、オーストラリアの出身で日本語も堪能な方など、多様な方に来ていただき、私自身も大きな喜びと刺激をいただけました(^^)
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勇気づけの基本とは?感謝やお礼の言葉を伝えることの素晴らしい効果
今回のテーマは、
ブッダとアドラー心理学から学ぶ「良好な対人関係を築く“勇気づけの方法”」
でした。
アドラー心理学は「勇気の心理学」ともいわれるように、“生きる勇気”を持つことが重要視されています。
勇気があれば、「私は困難なことも成し遂げることができる」と自己効力感を持つことができ、「私は周囲の役に立つ」と他者貢献感も持つこともできます。
また、たとえ失敗しても、すばやく立ち直り、その失敗から学習することもできるのです。
反対に勇気が欠けていると、「私は何事も成し遂げることができない」と無力感に陥り、貢献感を持つどころか「自分は役立たずだ」と思ってしまうでしょう。
失敗を恐れてなかなか行動に踏み出すことができず、行動の結果 失敗すれば、立ち直るまでかなりの時間を要してしまうのですね。
勇気がある場合とない場合の違いをひと言でいえば、勇気があれば建設的な(前向きな、周囲のためになる)行動をしていけます。
勇気がないと、非建設的な(後ろ向きな、周囲の足を引っ張る・迷惑になる)行動をしてしまいます。あるいは、非建設的な行動をしないまでも、建設的な行動をしなくなるのですね。
ゆえに、勇気があれば他者と良好な関係を築けていき、勇気が失われると他者との間でトラブルが生じるでしょう。
だから、お互いに勇気づけをしていくことが、精神的に幸せに生きていくのに欠かせないのですね。
その勇気づけの基本となるのが、
「ありがとう」「嬉しい」
という、感謝やお礼、喜びの言葉を伝えることです。
感謝やお礼を伝えると、相手は「周囲のためにやってよかった。またやろう」という貢献感や自己効力感を持ち、勇気づけられ、さらなる建設的な行動へと踏み出していけるのですね。
そのように感謝やお礼、喜びを伝えると、相手が貢献感を持って幸せになるだけでなく、自分も感謝の気持ちを持つことで自分自身を肯定することになって、幸福感が高まるのです。
前回は、効果が科学的に実証されている、感謝を示して自分の幸福感を高める具体的な3つの方法をご紹介しました。
前回の記事はこちら

今回は、勇気づけの基本を踏まえた上で、勇気づけの4つのテクニックをお話しします。
即実践できる!勇気づけのテクニック(貢献への注目、過程の重視)
勇気づけの4つのテクニックとは、以下のものです。
- 貢献に注目する(⇄ 能力、勝ち負けに注目する)
- 過程を重視する(⇄ 成果を重視する)
- できている部分を指摘する
- 失敗を受け入れる
今回は、1番目の「貢献に注目する」と2番目の「過程を重視する」について詳しくご紹介します。
①貢献に注目する
相手のしたことに対して、自分への貢献に注目することで、相手は勇気づけられます。
「貢献に注目する」の反対で、勇気くじきになるのが「能力や勝ち負けに注目する」です。
能力や勝ち負けへの注目とは、たとえば
「あの人に比べて、君は優秀だ」
「あの人に負けてどうするんだ」
というものです。
人と比較して優秀(劣っている)、勝っている(負けている)と言うのは、価値観の押しつけやレッテル貼りになります。
「劣っている」や「負けている」のレッテルを貼られれば、当然勇気がくじかれますし、「優秀」や「勝っている」と言うことは「あなたは優秀でなければならない。周囲に勝たなければならない」という価値観の押しつけになり、依存のライフスタイルへとつながってしまうのですね。
対して貢献への注目とは、たとえば
「君のおかげで、とても助かったよ」
というものです。
「あなたのやったことがこんな影響を与えてくれて助かった」と貢献を伝えることで、相手は「がんばってよかった。もっと貢献できるように、役に立てるようにがんばろう」と勇気づけられるでしょう。
②過程を重視する
相手のしたことの過程を重視することで、相手の勇気づけにつながります。
これとは反対なのが、「成果を重視する」ことです。
成果しか見られなければ、「成果を上げられない自分はダメだ」と落ち込んでしまうか、
「成果を上げれば褒められる、認められる。なんとか相手に良い印象を与えなければ、自分の能力を証明しなければ」と、「認められるためにやる。認められなければやらない」というライフスタイルを持ってしまうのですね。
具体的には、子供のテストの成績に対して
「いい成績だ」
「なんだこの成績は」
というのは、成果しか見ていない言い方になります。
それに対して、「過程を重視する」言い方は
「努力したんだね。すごく頑張ったんだね」
「一生懸命努力したのに残念だったね」
というものです。
努力したという過程を重視することで、「努力したこと自体に意味があった。ぜひこの努力を続けていこう」と思えて、相手は建設的な行動への意欲が湧いてくるでしょう。
また、仮に結果は残念であったとしても、「次はいい結果につながるようにがんばろう」とモチベーションが維持されますね。
次回は、勇気づけのテクニックの残り2つをお話ししていきます。
まとめ
- アドラー心理学は「勇気の心理学」といわれ、勇気が重視されています。勇気があれば建設的な、前向きな行動を実行していけます。反対に勇気を失うと、後ろ向きになり、建設的な行動をしなくなってしまうのです
- 勇気づけの基本は、「ありがとう」「うれしい」という感謝やお礼、喜びの言葉を伝えることです。感謝を伝えることで相手の自己効力感が高まります
- 勇気づけの基本を踏まえた上で、より相手を勇気づける4つのテクニックをがあります
- 貢献に注目する(⇄ 能力、勝ち負けに注目する)
- 過程を重視する(⇄ 成果を重視する)
- できている部分を指摘する
- 失敗を受け入れる
- 「君のおかげで助かった」というように、貢献してくれたことに注目すると、相手は貢献感を抱いて勇気づけられます。反対に、能力や勝ち負けを持ち出されると、「あの人に比べて私は悪い」と、相手はやがてやる気を失ってしまいます
- 「努力したんだね」と過程を重視すると、相手は「やってよかった」と思えて、勇気が得られます。それとは逆に成果だけを重視されると、「成果を上げられない自分はダメな人間だ」と責めてしまいかねないのです
参考にした書籍
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