勉強会主催の みなみ です。
『運のいい人の法則』を通して、偶然ではない、運のいい人に共通する法則、幸運を実現する仕組みについてご紹介しています。
今回はその19回目です。
『運のいい人の法則』は、ハートフォードシャー大学の心理学教授 リチャード・ワイズマン博士によって書かれた、「運の科学的研究」に関する本です。
ワイズマン博士は、運のいい人は本人も気づかないうちに法則に従って幸運を作り出していることを発見しました。
そして、その法則に従って考えて行動すれば、誰でも幸運を実現できる、といわれています。
その運のいい人に共通する法則が、以下の4つです。
- チャンスを最大限に広げる
- 虫の知らせを聞き逃さない
- 幸運を期待する
- 不運を幸運に変える
前回は、3番目の法則「幸運を期待する」に関して、「将来への期待を高めて 運を鍛え、幸運を実現させる3つの方法」をご紹介しました。
運のいい人は幸運を期待することで、それが実現するような行動を取るため、実際に善い結果に恵まれているのです。
その運のいい人のように期待を高めて運を鍛える方法として、
- フレーズの声出し
- コストパフォーマンスを分析する
- 重要なことに臨む前に、幸運を想像する
が挙げられています。
フレーズの声出しについては、「自分は運がいいのだ」と言い聞かせることで、プラスの期待を持つことができ、考え方や感情に効果的な影響が及ぼされる、といわれています。
コストパフォーマンスの分析に関しては、目標を達成したらどんな素晴らしいことが起こるのか(=効果)と、それを達成するために努力すべきこと(=コスト)を比べ、効果がはるかに高いとわかれば行動を起こす意欲も高まります。
また、重要なことに臨む前には、できるだけ具体的な展開を思い浮かべるとともに、その場面で成功できると想像することで、実際に高いパフォーマンスを発揮しやすくなり、結果的にものごとがうまくいく、ということを紹介しました。
前回の詳細はこちら
今回から、運のいい人に共通する法則の4番目「不運を幸運に変える」をお話ししていきます。
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運のいい人に共通する「不運を幸運に変える」法則
運のいい人は法則に従って行動することで、幸運をつくり出しています。
しかしいくら運のいい人であっても、いつまでも順風満帆でいられるわけではありません。ときには不運やマイナスの出来事も経験します。
ところが運のいい人は、不思議としか言いようのない方法で、不運を素晴らしい幸運へと変えている、といわれているのです。
ワイズマン博士は、運のいい人を日本の「ダルマ」の置物にたとえられています。
ダルマの由来は、禅宗の開祖である達磨大師であり、達磨大師は「面壁九年(9年間、壁に向かって座禅瞑想した)」といわれる壮絶な修行のために手足がなくなった、といわれています。
置物としてのダルマは、倒してもすぐに起き上がりますね。
そのダルマに運のいい人は似ている、といわれます。
運のいい人には不運が起こらないわけではありません。しかしたとえ不運に遭遇しても、すぐに起き上がってまっすぐ立てるのです。
では運のいい人はどのような心持ちによって、不運を幸運へと変えて、困難から力強く立ち上がるのでしょうか。
その不運を幸運に変える4つのテクニックをお話ししていきます。今回はその1つ目についてです。
ポイント① 運のいい人は不運のプラス面を見ている-メカニズム編
運のいい人は、不運に当たっても、それを違う方向から見ることができます。
たとえば、あなたがオリンピックの代表選手に選ばれたとします。
本番でも実力を発揮でき、銅メダルを獲得しました。どれくらい嬉しいと思うでしょうか。ほとんどの人は努力が報われたと心から喜ぶと思います。
では、これがあなたにとっての2回目のオリンピックで、銀メダルに輝いたとします。そのときはどれくらい嬉しいと感じるでしょうか。
単純に考えれば、銅メダルよりも銀メダルのほうが嬉しいと思うはずですね。メダルの色は実力を表していて、努力の証でもあります。
ところがいくつかの研究によって、銅メダルのほうが銀メダルより喜ぶアスリートが多いことがわかっているそうです。
その理由は、自分の成績をどのように評価するかと関係がある、といわれています。
銀メダリストは、銀メダルを獲得できてよかった、という思いより、「あと少し成績がよければ金メダルだったのに…」という思いが先行します。現実と、金メダルの獲得という出来事とを比較しているのです。
すると、銀メダルの獲得という現実に悔しさがにじみます。
一方で銅メダリストは、銅メダルの獲得という現実と、「あと少し成績が悪かったら、メダルはなかったかもしれない…」という出来事とを比較します。
すると、銅メダルを獲得できた現実をいっそう喜ぶことになるのですね。
このように私達は、実際に起きた出来事そのものではなく、起こったかもしれないことと現実とを比較して、現実を評価しているのです(これを心理学では「反事実的思考」と呼ばれています)。
運のいい人は、この「反事実的思考」を、自分がポジティブな感情を得られるように作用させています。
すなわち、不運な出来事で精神的なダメージを受けても、もっと悪い結果になったかもしれないと考えることで、ショックを和らげているのです。
「銀行強盗に腕を撃たれた!」その経験をどう受け止めますか?
それを証明するために、ワイズマン博士は、運のいい人と悪い人に、不運なシナリオを読ませ、その反応を観察する、という実験を行いました。
ワイズマン博士は作成したシナリオは、以下のようなものです。
あなたは銀行の窓口で順番を待っている。
そこへ銀行強盗が現れ、銃を振り回し、あなたは腕を撃たれた。
この出来事を運がいいと思うか、それとも運が悪いと思うか、評価してもらいました。
あなたなら、この出来事を知人にどのように説明するでしょうか。運のいいことして話すでしょうか。それとも運の悪い出来事として話すでしょうか。
ワイズマン博士の調査の結果、運のいい人と悪い人の違いは歴然としていました。
ある運の悪い女性は、銀行強盗に腕を撃たれたのはとても運が悪いと考えました。
別の運の悪い男性はこのように語ったそうです。
そもそも質問がおかしい。こんな状況で運がいいと思えるのは、銃で撃たれるのが好きだという人くらいだ。
対して、運のいい人は、この出来事を幸運だったと考え、もっと最悪の事態になったかもしれない、と想像していました。
ある運のいい男性はこう語っています。
銃で撃たれたら即死したかもしれない。腕に当たったから助かったのだろう。
このように、運のいい人と悪い人の、不運に対する受け止め方の違いは明らかでした。
運の悪い人が、起きた出来事の苦しくて悲しいところしか目に入らないの対して、
運のいい人はつねに明るいところを見て、もっと悪い結果になったかもしれないと自然に考えていたのです。
運のいい人のように考えると、気持ちが軽くなり、自分はやっぱり運がよくて、幸運な人生を送っていると思い続けることができます。その思いがまた、積極的・前向きな行動をあと押して、幸運の実現につながるのですね。
次回は、「運のいい人は不運のプラス面を見ている」について、運のいい人は実際にそのようにすることで、具体的にどんな人生を送ることができるのかを見ていきます。
まとめ
- 運のいい人であっても、不運やマイナスの出来事を経験しています。しかし運のいい人は不運に遭遇しても、すぐに立ち上がることができます
- 不運に当たっても立ち上がれる理由は、起こった現実に対して、「もっと悪い結果になったかもしれない」と想像し、その想像と現実とを比較することで(=反事実的思考)、精神的なダメージを和らげ、「やはり私は運がいい」という思いを持ち続けられるからなのです
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