勉強会主催の みなみ です。
『運のいい人の法則』を通して、偶然ではない、運のいい人に共通する法則、幸運を実現する仕組みについてご紹介しています。
今回はその21回目です。
『運のいい人の法則』は、ハートフォードシャー大学の心理学教授 リチャード・ワイズマン博士によって書かれた、「運の科学的研究」に関する本です。
ワイズマン博士は、運のいい人は本人も気づかないうちに法則に従って幸運を作り出していることを発見しました。
そして、その法則に従って考えて行動すれば、誰でも幸運を実現できる、といわれています。
その運のいい人に共通する法則が、以下の4つです。
- チャンスを最大限に広げる
- 虫の知らせを聞き逃さない
- 幸運を期待する
- 不運を幸運に変える
前回は、4番目の法則「不運を幸運に変える」のポイントの1つ目「運のいい人は不運のプラス面を見ている」について、運がいい人が不運に遭遇したとき、実際にどのような見方・考え方をしているのかをご紹介しました。
たとえば、幸運に恵まれているアグネスさんという女性は、暖炉に頭から突っ込んだり、遊泳中に深い穴にはまって危うく溺れそうになったりと、何度か死に直面したことがあったそうです。
しかしアグネスさんはそれらの事故に滅入るどころか、「さらに悪い事態になっていたかもしれない」と自然に考え、「自分は運がいい」と元気を出しているそうです。
また、運のいい人は、自分よりも不運を経験している人と自分とを比較することで、精神的なダメージを和らげることもある、といわれています。
運のいい人は 不運な人の境遇に思いを巡らすことで、「ありがたいことに、自分はそこまでの不幸は経験していない」と現実を受け止めて、感謝の思いを持ち、前向きに行動することができ、その行動が幸運を実現させているのですね。
前回の記事はこちら
今回は、4つ目の法則の2番目のポイント「運のいい人は、不運な出来事も長い目で見れば最高の結果になると信じている」についてお話ししていきます。
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運のいい人に共通する「不運を幸運に変える」法則
ポイント② 運のいい人は、不運な出来事も長い目で見れば最高の結果になると信じている
2つ目のポイントを説明するにあたり、ワイズマン博士は、ある古い寓話を引用されていました。
それは、ことわざ「人間万事塞翁が馬」の由来となっている話です。
昔、中国北方の塞(とりで)の近くに、とても聡明な老人(塞翁)が住んでいました。
彼は、人生では不運に見える出来事もたくさんあるものの、時が経てば幸運に変わるものだと思っていました。
ある日、馬に乗っていた老人の息子が突然、振り落とされ、打ちどころが悪く、片足を骨折してしまいます。
しかし、数日後に息子の見舞いに来た隣人に対して、彼は「どうして運が悪いと決めつけるのか?」と答えました。
1週間後、村で大きな祭りが開かれましたが、息子は足を骨折していたために参加できませんでした。
このときも周囲からは「あなたの息子さんは運が悪かった」と言われましたが、老人は同じように答えました。「どうして運が悪いと決めつけるのか?」と。
果たして、祭りの最中に大火事が起こり、多くの死者が出たのです。
村の人々は、不運だと思えた老人の息子の落馬と骨折が、息子の命を救ったのかもしれないと気づき、「どうして運が悪いと決めつけるのか?」という言葉は正しかったとわかったのでした。
※『運のいい人の法則』では大火事での死を免れたと説明されていますが、元の文献によれば、隣国が攻めてきたものの、息子は足の骨折によって兵役を免れて戦死をしなくて済んだ、と書かれています
運のいい人は不運に出くわしてしまったときも、この寓話の老人と同じ考え方をする、とワイズマン博士はいわれています。
すなわち、「これは不運ではなく、幸運へとつながる出来事だ」と受け止めるのですね。
刑務所にいたことが、人生でいちばん運のいい出来事だった
実際に運のいい人は不運に思える出来事をどう解釈しているのかについて、35歳の社会人大学生 ジョゼフさんのことが紹介されていました。
ジョゼフさんは現在は、大学で心理学を専攻し、社会のルールを守りながら幸せな毎日を送っています。
しかし若いころは、その正反対の生活でした。
いつも警察の厄介になっていて、あるときにオフィスビルに侵入しようとして逮捕され、刑務所に入ったこともあったのです。
ただ、今となって振り返ってみると、その事件が自分にとって最も幸運な出来事の1つだったと思っていました。
オフィスビルへの侵入は、つるんでいた二人の仲間とともに行ったことでしたが、ほかの二人は逃げ、ジョゼフさんだけが警察に逮捕され、刑務所に入りました。
ジョゼフさんが刑務所にいる間、仲間の二人は別の犯罪を企てましたが、ほかの指名手配犯と間違えられて警官に撃たれ、一人は亡くなり、もう一人は重傷を負って、生涯 車椅子の生活となったのでした。
それを受けてジョゼフさんは、「僕が刑務所にいたことは、人生でいちばん運のいい出来事だったのだろう」と語っています。
警察に捕まる、刑務所に入る、大切な持ち物を盗まれるなど、不運や悲劇としか思えない出来事であっても、それから幸運が生まれることがある、実は人生で最高の結果につながる出来事ともなり得えます。
運のいい人はこのような考え方をすることで、不運がもたらす精神的な苦痛を和らげているのですね。
これまでの人生を振り返り、そのときは不運だと思えた出来事から、実はいい結果が生まれていることに注目すれば、不運を経験したことによる心の痛手や後悔の念を鎮めて、将来に対してより前向きな期待を持つことができます。
その期待が実際に前向きな行動を取らせ、本当に幸運を実現させるのです。
以上が、ポイントの2つ目でした。
次回は、ポイントの3つ目「運のいい人は不運にこだわらない」についてお話ししていきます。
まとめ
- 運のいい人は、不運に遭遇しても、「これは不運ではなく、幸運へとつながる出来事だ」と受け止めています。実際に社会人大学生のジョゼフさんは、警察に捕まって刑務所に入れられたことが、人生でいちばん運のいい出来事だった、と振り返っています
- 過去を振り返り、「不運だと思えた出来事から、実は幸運が生まれていた」ことに注目すれば、いま経験していることがもたらす精神的なダメージを軽減し、将来への希望を持ち続けることができるのです
続きの記事はこちら
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