1/19(金)レポート 諸刃の剣な“証明型”のマインドセット-社会心理学に学ぶ 目標達成の効果的なアプローチ法1

勉強会主催の みなみ です。

今回の勉強会には初めての方5名を含む、7名の方にご参加いただきました☆

初対面の方が多かったのですが、みなさんとても気さくで、すぐに打ち解けられたように思います。

勉強会中に行ったディスカッションも盛り上がり、積極的に意見も交わしていただきました。
私自身、今回のテーマは初めてお話しする内容だったのですが、おかげさまで非常にリラックスしてお話しできたと感じます(^^)

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世界的ベストセラー『やってのける』とは?

今回のワークショップでは、
ブッダと社会心理学から学ぶ“目標達成の効果的なアプローチ法”
というテーマでお話ししました。

メインとなるのが、こちらの本の内容です。

やってのける~意志力を使わずに自分を動かす~

この本は「ハーバード ビジネスレビュー」「フォーブス」などで話題の著者による、世界的ベストセラーです。

著者は、ハイディ・グラント・ハルバーソン氏。
コロンビア大学の心理学博士で、モチベーションと目標達成の分野の第一人者といわれています(女性の方です)。

メンタリストとして有名なDaiGoさんも、

“自分をコントロールする力”が桁外れにあがる本だ

と絶賛しているそうです。

この本には、目標を達成するためのたくさんのシンプルな方法が書かれていて、「どうすれば目標達成へのモチベーションを上げることができるのか?」という問題への解答を示してくれています。

目標を達成できず、自己嫌悪に陥っていませんか?

目標を立てたのに続かなかった、挫折してしまった、という経験はどなたにでもあるでしょう。

  • 半年間で10㌔やせる!
  • TOEICで900点を取る!
  • 1ヶ月に本を10冊読む!

などの目標を立て、数日間はがんばるのですが、その後がなかなか続かない。

「今日はダメだった。明日から仕切り直してがんばろう」と決意を新たにするも、一度続かなくなると、また続かなくなるまでの時期も早くなってしまいます。
そして、やがてはどうでもよくなって、投げ出してしまう…。

目標を立てては挫折し、新たな目標を立ててはあきらめ…。この繰り返しで、「なんてダメな自分なんだ」と自己嫌悪で苦しんでいる方もいるかもしれません。

そんな自己嫌悪に陥らずに、打ち立てた目標を見事にクリアし、充実感に溢れるにはどうすればいいのでしょうか?

その目標へのアプローチ法を『やってのける』を通してご紹介していきます。

「やってのける」の目標へのアプローチ法を取り入れることで、あきらめずに目標達成へ大きく前進できるでしょう

目標達成のために考慮したい「マインドセット」

目標を達成するために考慮したい3つの要素があります。

それが

  1. マインドセット
  2. 行動計画
  3. 環境

の3つですね。

まずお話ししたいのが「マインドセット」です。目標のマインドセットとは、目標に対してどのような考え方を持っているのか、というものです。

具体的には、次の2つのマインドセットがあります。

1つは「証明型」のマインドセット、
2つは「習得型」のマインドセットです。

はじめの「証明型」のマインドセットは、「能力を示すためによい成果を挙げること」を重視する、というものです。

証明型のマインドセットは具体的には、

  • 試験でAを取る
  • 売上目標を達成する
  • 意中の相手と交際する
  • 法科大学院に合格する

などの目標に対して、これらの目標を達成することで、「自分は有能な人間なんだ、できるやつなんだ」と思われたいという考えであり、成果を挙げることに注力する考えですね。

証明型の人は、

自己承認(周りの評価) 自尊心(自分の価値)

という考えがあります。

証明型の人は、周りに評価してもらう、あの人はできる人だと思ってもらえてこそ、自分は価値のある人間だと思える、自尊心が保たれる、という人です。

反対に「目標を達成できなければ意味がない。自分はダメな人間だ」とも考える傾向があります。

証明型のマインドセットは「諸刃の剣」

先で見たように、周りの評価=自己評価と思い、他人に自分の能力を示すことを第一に考えているのが照明型の人です。

この証明型のマインドセットは、目標を達成する上で「諸刃の剣」といわれます。

なぜ諸刃の剣なのか?『やってのける』にはこう説明されています。

いいときはやる気を高めてくれる自尊心が、状況が好ましくないものになると逆に作用するのです。

(中略)

高いパフォーマンスを発揮しやすいと同時に、簡単に落ち込んでしまうことでパフォーマンスが低調になりやすいという傾向があります

好調に物事が進み、周りから高い評価を受けているときは、自尊心も高まり、高いパフォーマンスを発揮することができます。

しかし調子が悪くなり、他人から思うような評価を得られなくなると、自尊心も低くなり、落ち込みやすくなります。

するとパフォーマンスも低調になり、ますます調子が悪くなり、他人からの評価も下がり、自尊心もさらに低くなって、やがては「自分みたいなヤツはダメな人間」と、努力をすることさえやめてしまいかねません。
それゆえ証明型のマインドセットは諸刃の剣といわれているのですね。

そもそも他人の評価というのは、とても変わりやすいものです。ちょっとしたことがきっかけで180度評価が変わる、ということさえあります。

その変わりやすい他人の評価に自己評価を置いてしまえば、自己評価は揺らぎやすくなってパフォーマンスは不安定になってしまいます。
長期的な努力が必要になる目標を達成するには、不利なのですね。

では、この証明型のマインドセットに対して、「習得型」のマインドセットとはどんな考え方なのでしょうか。
この習得型のマインドセットこそ、目標達成のためにぜひ知っていただきたいと思います。

習得型のマインドセットの特長については次回、ご紹介していきます。

まとめ

  • 目標達成のために考慮したい要素の1つが「マインドセット」です。マインドセットは、目標に対する考え方のことをいい、主なマインドセットが「証明型」と「習得型」の2つです
  • 証明型のマインドセットは、「能力を示すためによい成果を挙げること」を重視し、自分の価値は周りからの評価で決まる、という考え方です
  • 証明型のマインドセットは高いパーフォーマンスを発揮しやしい利点はあるものの、状況の変化によって落ち込みやすく、パーフォーマンスが低調になる傾向があります。変わりやすい他人の評価に自己評価を置いているため、調子が不安定になってしまうのです

ワークショップに参加された方の感想

ちょうど、今年一年の目標設定をしていたところだったので、効果的なアプローチ方法を聞けて良かったです。
これまで具体的な計画を立てて実行するのに苦心していたので、聞いた内容を参考にしたいと思います。

続きの記事はこちら

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コンテンツレポートブッダと社会心理学
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この記事を書いた人
南 雄一郎

2011年 金沢大学工学部 卒業

大学では機械工学を専攻するなか、悩み解消のヒントや生きる指針を教える仏教に強い関心を持ち、仏教講演会に多数参加しました。

また大学卒業後は仏教と親和性のある心理学にも興味を持ち、独学で学びました。

現在は東京都内でライターをしながら、対人関係の悩みを解消し、自立した生き方の実現を目的とした 仏教×心理学のワークショップを開催しています。

自主開催のワークショップは累計850回以上。

2018年 新潟県キャリアセンター様主催 キャリアコンサルタント フォローアップセミナーにて講師をつとめました。

NPC法人HMC協会 認定心理カウンセラー(セルフ資格) 。

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