勉強会主催の みなみ です。
今回のワークショップには、初めての方5名を含む、9名の方にご参加いただきました^^
年度末の忙しいときながら、たくさんの方にご参加いただき、嬉しく思います。
役職が上がって部下を指導される立場になられ、部下への接し方に役立てようと思われ、参加された方がいました。
これまでの考え方が整理され、いろいろと気づきを得ていただいたようでした。
ワークショップでお話ししたことを日常で活かされ、悩みの解決や、相手との関係が良好化されたのなら、これほど嬉しいことはありません。
私自身もお話ししたことをワークショップ外でしっかり実行していきたいと思います。
※これからの記事の内容を動画でも紹介しています
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アドラー心理学から知る、実は勇気をくじいている行為とは?
今回の勉強会のテーマは、
「ブッダとアドラーの心理学に学ぶ『良好な人間関係を築く“勇気づけの方法”』」
でした。
アドラー心理学は「勇気の心理学」ともいわれます。
私達が精神的に健康に、前向きに生きていくのに絶対に必要な要素が“勇気”です。
勇気がなければ前向きな行動が取れずに、仕事を放棄したり、コミュニケーションを避けたり、相手の勇気を奪ったりするような行動さえ取ってしまいます。
良好な対人関係を築くのに勇気は不可欠です。
ではどうすれば相手を勇気づけることができるのでしょうか?
まず知らないといけないのは、相手を勇気づけているつもりで、実は勇気をくじいている行動がある、ということです。
その代表的な行為が、
- 叱る
- ほめる
の2つでした。
前回は、なぜほめることが勇気をくじくことになるかをお話ししました。
前回の記事はこちら
ほめることが勇気くじきになるのは、「縦の関係」を構築してしまうからです(叱る場合も同様です)。
「縦の関係」は、自分が相手の上に立って、相手を評価したり、自分の意のままに動かそうとしたりする関係です(反対に、相手を評価したり、欠点を指摘したりするのではなく、同じ目線で接するのが「横の関係」です)。
ほめるというのは、相手の上に立たないとできない行為ですね。下の人が上の人をほめる、ということはできません(叱ることも同じですね)。
ほめることで縦の関係を構築してしまうと、相手はほめられている間は建設的な行為に向かうのですが、ほめられなくなると建設的な行為をやらなくなったり、非建設的な行為をしてしまったりするのです。
だから、ほめる(叱る)ことは、長期的に見れば相手の勇気をくじき、自立から遠ざけることになることがわかります。
では、相手を勇気づけ、自立に向かわせる行為とは、何なのでしょうか?
どうすれば勇気づけられるのでしょうか?
料理をつくって待っていたときに、言われて嬉しい言葉は?
相手を正しく勇気づける方法が、アドラー心理学のパイオニアである野田俊作さんの著書『アドラー心理学を語る4 勇気づけの方法』で紹介されています。
このような具体例が書かれてありました。
今日は旦那さんの誕生日で、手のこんだ料理をつくって旦那さんの帰りを待っている。
旦那さんが帰ってきました。
さて、どう言ってくれるとうれしいですか。
あなたなら、どんな言葉を聞くと勇気づけられるでしょうか?
「おお、偉いねー」
と言われたら、どうでしょう?
何も言われないよりはマシかもしれませんが、いい気持ちはしませんね。
なんとなく、上から見られた印象を受け、スッキリしません。
では
「ありがとう」「うれしい」
と言われたらどう思いますか?
これは、言われて自分を嬉しい気持ちになりますよね。
その理由について、野田さんはこのように語っています。
「偉いね、頑張ったね」って言われるのもいや、黙ったままもいや、でも「おいしいね」と言われるのはうれしいですね。
また、「ありがとう」とか「うれしいな」とかいうメッセージがくると、勇気づけられるでしょう。
よし、またおいしいものをつくってあげようという気になる。
(中略)
「偉い」は「あなたメッセージ」だから。
「あなたはよい、あるいは悪い」というのを、こちらが判断している。
「うれしい」とか「ありがとう」というのは、こちらがどう感じているかを言っている「私メッセージ」です。
相手をいいか悪いか判断するのは、勇気くじきなんです。
「偉い」は、相手を評価する、「いい、悪い」を判断している言葉であり、「縦の関係」から出た言葉です。
これは「あなたメッセージ」といわれ、勇気をくじいてしまいます。
「おいしい」
「ありがとう」
「うれしい」
というのは相手を評価していませんね。
感謝やねぎらい、気遣いの言葉というのは「横の関係」から出た言葉であり、相手を勇気づける言葉です。
これは「私メッセージ」といわれます。
「あなたメッセージ」は勇気をくじき、「私メッセージ」は相手を勇気づけるので、「私メッセージ」を使うことで「縦の関係」から「横の関係」へと変えることができるのです。
「あなたメッセージ」「私メッセージ」はもっと具体的にどんなことなのか、次回、詳しくご紹介します。
まとめ
- アドラー心理学は「勇気の心理学」ともいわれるように、勇気が重要視されています。自立し、他者と良好な関係を築いていくには勇気が不可欠です
- 相手を勇気づけているつもりで、実は勇気をくじいているのが「叱る」「ほめる」ことです。それらは「縦の関係」を構築し、ほめられればやる(叱られないようにやる)、ほめられなければやらない(叱られないとわかればやらない)となり、長期的に見れば自立から遠ざけます
- 正しく勇気づける方法とは、感謝やねぎらいを伝える「わたしメッセージ」を使うことです。反対に、いい・悪いを判断する「あなたメッセージ」は、相手の勇気をくじくのです
勉強会に参加された方の感想
◯私メッセージを伝える実践をもっとやっていきたいと思いました。
◯あなたメッセージ、私メッセージ、これを使い分けることができれば、人間関係がより良く豊かになると強く感じました!本日から実践していきます!
続きの記事はこちら
引用した書籍
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