運命は変えられると思うべき?自己解決型の3つのメリット-パーソナリティ心理学に学ぶ 幸福度を高める 主体的な生き方5

ワークショップ主催の みなみ です。

ベストセラー書『自分の価値を最大にする ハーバードの心理学講義』を通して、幸福度を高める主体的な生き方をご紹介しています。

自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義

今回は5回目です。

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運命は変えられる?変えられない?運命についての2つの信念

『ハーバードの心理学講義』は、ハーバード大学 心理学教授のブライアン・R・リトル氏によって書かれた本です。

この本は、リトル教授の専門である「パーソナリティ心理学」が解説されています。

パーソナリティ心理学は、

  • パーソナリティ(=性格)はどのように形成されるのか
  • パーソナリティとウェルビーイング(=幸福度)にはどのような関係があるか

を教えている心理学です。

主体的に生き、幸福度を高めるにはどうすればいいかについて、パーソナリティ心理学の観点からお話ししています。

前回は、運命に対する2つの信念

他者依存型」と「自己解決型

についてお話ししました。

他者依存型は、問題は自分で解決はできない、それは他者次第である、「運命は自分でコントロールできない」という信念です。

対して自己解決型は、問題は自分でコントロール可能、「運命は自分で変えられる」という信念でした。

この2つの信念を比較すると、自己解決型のほうが成功や幸福におけるメリットが多いといわれています。

前回は1つ目のメリットである「他人の言動にむやみに流されない」ことを紹介しました。

前回の記事はこちら

運命についての2つの信念「自己解決型」「他者依存型」とは-パーソナリティ心理学に学ぶ 幸福度を高める 主体的な生き方4
ワークショップ主催の みなみ です。 ベストセラー書『自分の価値を最大にする ハーバードの心理学講義』を通して、幸福度を高める主体的な生き方をご紹介しています。...

自己解決型の人は、同調圧力にも屈せずに、自らの意見を曲げずに従える、というメリットがあります。

しかもそれは単に頑固、というわけではなく、きちんと説明してもらって自分自身がしっかり納得したなら、考え方・態度を柔軟に変えることもできるのです。

今回は、自己解決型の残り2つのメリットについてお話ししていきます。

「自己解決型」のメリット-目標を達成しやすく、ストレスに対処しやすい

自己解決型のメリット② 目標を達成しやすい

自己解決型の人の2つ目のメリットは、他者依存型の人に比べて「目標を達成しやすい」ことです。

なぜ目標を達成しやすいかというと、自己解決型の人はそもそも「運命は自分でコントロールできる」と思っているので、自分の努力次第で目標も達成できると考えます。

そのため自己解決型の人は目標を達成するための必要な手段を明確にし、事前に計画を立てて準備するのです

ゆえに、そもそも目標を達成できるかどうかは時と場合次第と考え、手段をよく吟味しなかったり計画を立てたりしない他者依存型の人よりも、目標達成に着実に近づいていくのですね。

実際に、自己解決型の若者の方が学業と仕事の面で良い成績をあげているということが研究からわかっているそうです。

自己解決型のメリット③ ストレスにうまく対処できる

3番目のメリットが「ストレスにうまく対処できる」ことです。

これは爆音ストレスの実験から証明されています。

その実験とは、被験者にヘッドフォンを装着してもらいながら特定のタスクをしてもらう、その最中に不定期に爆音が聞こえてくる、というものです。

被験者の中には、爆音のタイミングを事前に知らされていた人もいました。

その結果、不定期に爆音を聞かされた被験者は、爆音後のタスクにミスが生じ、さらに苛立ちや他の被験者への敵意も見られました。

それに対して、爆音のタイミングを事前に知っていた被験者は、主観的なストレスが低く測定されたのです

これは「コントロール感」による効能である、といわれています。
「自分は状況をコントロールできている」という感覚が、ストレスにうまく対処することを助けたのです。

停止ボタンを使った実験でわかった興味深い事実

この爆音ストレスの実験からは、「コントロール感」の効能に関する、さらに興味深い実験結果も得られました。

それは、あまりに爆音が耳障りであれば、「停止ボタン」を押すことが許可された場合の実験で、です。

そもそもボタンが押されることはめったになく、押されない場合でもストレスの低下が見られました

加えて、そもそもボタンは押されないということで、ダミーのボタンを使っての実験も行われました。

その結果、ボタンがダミーであっても、コントロール感を得た被験者は他の被験者と比べ明らかにストレスが減っていたのです

この結果から、コントロール感はたとえ主観的なものであっても、ストレスに上手に対処できることがわかったのです。

 

このように、幸福や成功について、自己解決型にはメリットがいくつもあることがわかります。

ところが実は、自己解決型にはそれを手放しで喜ぶことはできない、致命的なデメリットもあるのです。

そのデメリットとはいったい何なのか?

それについては次回、詳しくお話ししていきます。

まとめ

  • 運命についてのパーソナリティには「自己解決型」と「他者依存型」があります。運命は自分でコントロールできると考える自己解決型のほうがメリットが多く、幸福感が高まりやすいです
  • 自己解決型のメリットは主に以下の3つがあります
    1. 他人の言動にむやみに流されない
    2. 目標を達成しやすい
    3. ストレスにうまく対処できる
  • 自己解決型の人は目標達成のために必要な手段を明確にし、事前の計画も立てるため、それだけ目標を達成しやすいです
  • 爆音ストレスの実験から、「自分次第でなんとかなる」というコントロール感が得られていると、ストレスによりよく対処できるとわかりました。ゆえにコントロール感の高い自己解決型の人はストレスにうまく対処できると考えられます

続きの記事はこちら

自己解決型パーソナリティの致命的なデメリットとは-パーソナリティ心理学に学ぶ 幸福度を高める 主体的な生き方6
ワークショップ主催の みなみ です。 ベストセラー書『自分の価値を最大にする ハーバードの心理学講義』を通して、幸福度を高める主体的な生き方をご紹介しています。...

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この記事を書いた人
南 雄一郎

2011年 金沢大学工学部 卒業

大学では機械工学を専攻するなか、悩み解消のヒントや生きる指針を教える仏教に強い関心を持ち、仏教講演会に多数参加しました。

また大学卒業後は仏教と親和性のある心理学にも興味を持ち、独学で学びました。

現在は東京都内でライターをしながら、対人関係の悩みを解消し、自立した生き方の実現を目的とした 仏教×心理学のワークショップを開催しています。

自主開催のワークショップは累計750回以上。

2018年 新潟県キャリアセンター様主催 キャリアコンサルタント フォローアップセミナーにて講師をつとめました。

NPC法人HMC協会 認定心理カウンセラー(セルフ資格) 。

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