運命についての2つの信念「自己解決型」「他者依存型」とは-パーソナリティ心理学に学ぶ 幸福度を高める 主体的な生き方4

ワークショップ主催の みなみ です。

ベストセラー書『自分の価値を最大にする ハーバードの心理学講義』を通して、幸福度を高める主体的な生き方をご紹介しています。

自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義

今回は4回目です。

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最新のパーソナリティ心理学研究からわかる、性格を形成する要素

『自分の価値を最大にする ハーバードの心理学講義』は、ハーバード大学のブライアン・R・リトル教授によって書かれた、最新の「パーソナリティ心理学」に関する本です。

自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義

パーソナリティ心理学とは、

パーソナリティ(=性格)はどのような要素によって決まるのか、
そのパーソナリティはウェルビーイング(=幸福度)にどんな影響を与えているのか、

を研究している学問です。

なかでも、リトル教授の教えるパーソナリティ心理学の特色は、「自由特性理論」を提唱していることです。

自由特性理論とは、人間には生まれ持ったパーソナリティを超えた行動ができる能力(=自由特性)があり、それは「コア・パーソナル・プロジェクト(個人の重要な取り組み)」によって形成される、というものです。

そして、前回の記事では、自由特性に大きな影響を及ぼす要素は、

  • 仕事上の使命感
  • 愛する人々

の2つであることをご紹介しました。

前回の記事はこちら

自由特性を形成する2つの要素とは?-パーソナリティ心理学に学ぶ 幸福度を高める 主体的な生き方3
ワークショップ主催の みなみ です。 ベストセラー書『自分の価値を最大にする ハーバードの心理学講義』を通して、幸福度を高める主体的な生き方をご紹介しています。...

今回から、リトル教授の自由特性理論を踏まえたうえで、「幸福度を高める主体的な生き方」についてお話ししていきます。

運命はどれくらいコントロールできるのか?運命についての2つの信念

あなたは、自分の運命はどのくらいコントロールできると思われているでしょうか?

自らの運命をどのように捉えているか、運命に対する信念は、大きく2つに分かれるといわれています。

1つは、

いいことも悪いことも、何が起こるかは外部の力によって決まっている

という信念で、運命は外部の力で決められ、自らコントロールできるものではないというもの。

2つ目は、

人間は運命をコントロールする主体的な存在なのであり、運や偶然はわずかな役割しか果たしていない

という信念で、運命のほとんどは自分でコントロールできる、人間は運命をコントロールできる存在だというものです。

あなたはどちらの信念に近いでしょうか?

前者の信念は「他者依存型」、
後者の信念は「自己解決型」といわれています。

他者依存型の人は、問題が生じた際に、それは自分では解決できないと思い、問題が解決できるかどうかは他者や環境次第だと思う、他者や環境に依存する考え方の人です。

反対に自己解決型の人は、問題は自分でコントロールして解決できると考え、そのための行動をする人のことです。

では、こられの運命についての信念のうち、幸福度や成功にプラスの影響をもたらすのはどちらの信念なのでしょうか。

それは「自己解決型」であると、リトル教授はいわれています。

幸福・成功における「自己解決型」のメリット

自己解決型には幸福や成功におけるメリットがいくつもあるのですが、そのうちの3つをご紹介します。

自己解決型のメリット① 他人の言動にむやみに流されない

同調圧力に関する、有名な実験があります。

どのような実験かというと、

6人の被験者が集められ、画面に瞬間的に2本の線が表示され、その2つが同じ長さかどうか尋ねられる、という実験です。

イメージとしては、下図のような映像が瞬間的に流される、というものですね。

2本の線の長さが同じではないのは明らかです。瞬間的に流されたとしても、長さが同じではないことは十分にわかります。

実はこの実験、1人を除いたほかの5人の被験者はサクラなのです。

先のサクラである5人は2本の線の長さは「同じ」だと答えていきます。

最後の2人はどう答えるか?というのがこの実験の核心なのですね。

すると、最後の1人も線の長さは「同じ」だと答える、という結果が出ました。

この実験から、人間は集団の中にいると、「他のメンバーの意見に同調しなければならない」という強い圧力(同調圧力)が働く、ということがわかったのです。

全員が同じと答えたのではなかった

ところが、線の長さが同じだと答えたのは、すべての人ではなかったのです。この同調圧力に耐性がある人がいました。

それが「自己解決型」の人です。

自己解決型の人は、集団からの同調圧力が働こうと、他者から強引に説得されようとも、むしろ強引だからこそ反発し、考えを変えることはなかったのです

さらに自己解決型の人の良いところは、強引な説得には反発するものの、きちんと説明をしてもらい、自らが論理的に理解をしたならば、考え方・態度を変えられる、ということです。

自己解決型の人は他人の言動にむやみに流されず、自分が正しいと思うことをしっかりと主張できる、

しかし単に頑固というわけでなく、道筋立てた説明には傾聴し、納得すれば考え方を変えられる人なのですね。

 

次回は、自己解決型の人の2つ目、3つ目のメリットをお話ししていきます。

まとめ

  • 運命に対する信念には、何が起こるかは外部の力によって決まると考える「他者依存型」と、運命は自分でコントロールできると考える「自己解決型」の2つがあります
  • 自己解決型の信念のほうが、幸福度や成功にプラスの影響がもたらされます
  • 自己解決型のメリットの1つが、他人の言動にむやみに流されないことです。それは単に頑固ということではなく、他の意見も論理的に理解できたならば考え方を変える、という柔軟さがあります

続きの記事はこちら

運命は変えられると思うべき?自己解決型の3つのメリット-パーソナリティ心理学に学ぶ 幸福度を高める 主体的な生き方5
ワークショップ主催の みなみ です。 ベストセラー書『自分の価値を最大にする ハーバードの心理学講義』を通して、幸福度を高める主体的な生き方をご紹介しています。...

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コンテンツブッダとパーソナリティ心理学
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この記事を書いた人
南 雄一郎

2011年 金沢大学工学部 卒業

大学では機械工学を専攻するなか、悩み解消のヒントや生きる指針を教える仏教に強い関心を持ち、仏教講演会に多数参加しました。

また大学卒業後は仏教と親和性のある心理学にも興味を持ち、独学で学びました。

現在は東京都内でライターをしながら、対人関係の悩みを解消し、自立した生き方の実現を目的とした 仏教×心理学のワークショップを開催しています。

自主開催のワークショップは累計850回以上。

2018年 新潟県キャリアセンター様主催 キャリアコンサルタント フォローアップセミナーにて講師をつとめました。

NPC法人HMC協会 認定心理カウンセラー(セルフ資格) 。

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