2/2(土)レポート トラブルの元?価値観の押しつけがもたらす「縦の関係」とは-アドラー心理学から学ぶ “属性付与”の退け方2

勉強会主催の ゆう です。

今回の勉強会には初めての方4名を含む、8名の方にご参加いただきました。

個人的な都合で、みなさんへのお知らせが3日前になってしまったのですが、それにもかかわらず多くの方にご参加いただき、嬉しく思います(^^)

今日の勉強会でも心理学や哲学、仏教と、いずれも関心がある方に多く来ていただき、ディスカッションもとても盛り上がりました。

ワークショップ後も質問をいくつかいただき、私自身も勉強になり、有意義な時間となりました。

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対人関係の悩み、人生の後悔を引き起こす「属性付与」

今回のテーマは、
アドラー心理学から学ぶ「自らの人生を生きるための“属性付与”の退け方」
についてでした。

対人関係の悩み、ひいては人生の後悔さえもたらすのが「属性付与」といわれるものです。

どうすれば属性付与を退け、対人関係の悩みを解消し、後悔のない人生を歩んでいけるのか、
その方法を3つのステップでお話ししていきます。

1つ目のステップが「私たちは人生の最後、何に公開してしまうのかを知る」ことであり、それは「他人の期待に合わせるのでなく、自分に正直に生きる勇気が欲しかった」ということであるのを、前回はご紹介しました。

前回の記事はこちら

11/29(木)レポート 多くの患者と関わった看護師の語る「最も多かった後悔」とは?-アドラー心理学から学ぶ “属性付与”の退け方1
勉強会主催の ゆう です。 今回の勉強会には初めての方6名を含む、11名の方にご参加いただきました^^ 平日にもかかわらず多くの方に来ていただき、嬉しく思います...

自分の人生を生きたかったができなかった、他人の期待に合わせすぎてしまった、ということに多くの方が後悔されているのです。

そのような後悔をもたらす原因が、相手からの「属性付与」を甘んじて受け入れてしまうことにあります。

ではその属性付与とはどんなことなのでしょうか?

「属性付与」とは、自分の価値を押しつけようとすること

属性付与とは、「属性」を「付与」するということで、

『あなたはこんな子(人)だ』とその性質を決めてしまうこと」をいわれます。

人から「あなたって~ね」「あなたは~であるべきだ」と言われれば、属性付与をされたことになります。

私たちはこのように人から価値観、理想像を押しつけられることもありますし、自分が相手に押しつけてしまうこともあるでしょう。

彼女(妻)が、彼氏(夫)に対して、

「私の彼氏として、浮気は絶対NGで、いつも優しくて、LINEにもすぐに返してくれて、1ヶ月に1回はサプライズしてほしい」

と思い、そうしてくれないと不満であり、自分の彼氏としては認めないと感じるなら、それは相手への属性付与になりますね。

相手の都合によらず、自分の好みを押し通そうとするのが属性付与といえるでしょう

このような属性付与で苦しまれている方は多いのではないでしょうか。

先の例のように、

  • パートナーから理想を押しつけられて苦しい
  • 上司から「部下ならこうして当たり前」「入社◯年なんだから、これくらいできなくてどうする」と責められる
  • 親から「こういう道に進むべき」「将来、そんなことをさせるために育てたんじゃない」

など、自分の気持ちや状況が配慮されずに、都合を押しつけられるのはつらいことですね。

属性付与によってつくられる「縦の関係」

なぜ人はこんな属性付与をしてしまうのでしょうか?

する側は「あなたにはこうなってほしい。あなたのために言っているのよ」と、いかにも相手のためを思って属性付与をしているように言いますね。

しかしその実態は、相手のためではなく「相手を支配したい。相手を自分の好きなようにしたい」というものでしょう。

このような対人関係のあり方は、アドラー心理学で「縦の関係」といわれています。

縦の関係、横の関係

縦の関係とは、上下関係であり、支配する・されるという関係です。

属性付与をして、相手を支配しようとするならば、それは縦の関係を築いていることになります。

対して「横の関係」とは、立場は違っていても、それでいて対等な関係のことです。

親と子ども、先生と生徒、上司と部下のように立場は違っていても、属性付与をせず、自分の都合のいいように相手を動かせそうとせず、同じ目線で接していれば、それは横の関係です。

反対に、上から目線の接し方は縦の関係といえるのですね。

横の関係をつくるのは「尊敬」の態度

横の関係は相手を「尊敬」している態度、ともいわれます。

尊敬と聞くと、立場や能力が下の人が、上の人に対して抱く気持ちという意味で使われていますが、アドラー心理学でいわれる尊敬は、それとは異なります。

アドラー心理学でいう尊敬とは、

自分の価値観を押しつけようとせず、その人が『その人であること』に価値を置く。さらには、その成長や発展を援助する

という態度なのです。

こちらの価値観を押しつけるのではなく、相手の思いや希望を尊重し受け入れる。そしてその人が自立していくためにサポートすることであり、これはまさに属性付与とは正反対の態度ですね。

縦の関係では、支配される方は自分の思いを押し殺し、相手に合わせますから、精神的に苦しく、不安定になりますね。
上の人への憎しみや怒りも増していくので、関係は悪化し、支配する方も結果的に苦しむことになるのでしょう

このように属性付与は縦の関係を構築し、お互いに苦しむという結果を招いてしまうのです。

 

ではどうすればその属性付与を退け、良好な関係を構築することができるのでしょうか。

それについては次回、お話ししていきます。

まとめ

  • 対人関係の悩み、ひいては人生の後悔をもたらすものが「属性付与」です。相手からの属性付与を甘んじて受け入れてしまうことが後悔の原因とされています
  • 属性付与とは、「属性」を「付与」する、「あなたはこうあるべきだ」と価値観を押しつけること、好みを押し通そうとすることです。価値観を押しつけられて苦しまれている方は多いでしょう
  • 相手を支配するために属性を押しつける関係、上から目線で接する関係は「縦の関係」といわれています。対して、立場は違っていても対等な関係が「横の関係」です。横の関係は、価値観を押しつけず、その人がその人であることに価値を置くという「尊敬」の態度から築かれます

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ブッダとアドラー心理学コンテンツレポート
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この記事を書いた人
南 雄一郎

2011年 金沢大学工学部 卒業

大学では機械工学を専攻するなか、悩み解消のヒントや生きる指針を教える仏教に強い関心を持ち、仏教講演会に多数参加しました。

また大学卒業後は仏教と親和性のある心理学にも興味を持ち、独学で学びました。

現在は東京都内でライターをしながら、対人関係の悩みを解消し、自立した生き方の実現を目的とした 仏教×心理学のワークショップを開催しています。

自主開催のワークショップは累計750回以上。

2018年 新潟県キャリアセンター様主催 キャリアコンサルタント フォローアップセミナーにて講師をつとめました。

NPC法人HMC協会 認定心理カウンセラー(セルフ資格) 。

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