勉強会主催の みなみ です。
今回の勉強会には、初めての方5名を含む、8名の方にご参加いただきました!
連休中、観光に行かれる方も多いと思いますが、その中、こうしてワークショップに来られる方がいて、お話の機会をいただけること、嬉しく思います^^
ワークショップ後も、参加者の方から職場で抱えている疑問をお聞きし、心理学や仏教の観点からお答えし、納得していただけたように思います。
「皆さんのお話を聞けたのも良かったです」というご感想もいただき、悩みの共有をできることで、お互いに得られるもの、学びも多いと実感しました。
このような機会をぜひ続けていきたいと、改めて感じました。
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アドラー心理学の具体的な悩みの解決法を学ぶ
今回は、
ブッダとアドラー心理学に学ぶ「即実践的 悩みの解決法」
というテーマでお話ししました。
アドラー心理学が多くの人に知られるきっかけとなったのが『嫌われる勇気』ですね。
タイトルに引きつけられて読み始め、斬新さを感じつつも納得させられるアドラー心理学の魅力にハマっていかれた方も多いのではないかと思います。
その『嫌われる勇気』著者・岸見一郎さんの最新作が『人生を変える勇気』です。
人生を変える勇気 – 踏み出せない時のアドラー心理学 (中公新書ラクレ)
「『嫌われる勇気』を読んでとても勉強になったけれど、日常にどう生かしていけばいいかはわからない」
「普段の生活での実践がむずかしい」
という声も聞きます。
『人生を変える勇気』では、職場や家庭での具体的な悩みに対して、アドラー心理学から実践的な答えが出されているので、先の疑問を持つ方にまさに適した内容だと感じました。
ワークショップでは、『人生を変える勇気』に寄せられた悩みを取り上げて、仏教の見解も加えて、悩みの解決法をお話ししています。
続けてご紹介しているのが、ある男性からの次の悩みです。
ボクは自分に自信がありません。
他の人からどう思われているかがいつも気になってしまい、本心を話すことができません。
遊びに誘われると、本当は家で一人でいたいのに断ることができません。
こんな性格、どうしたらいいですか。
自分に自信がなく、ゆえに人からどう思われるかが気になり、嫌われることを恐れて本心を話せないでいる…。
人の反応が気になり、恐れを感じて、やりたいこともできないでいることは、多くの方にも共通することでしょう。
この男性は、どうすれば本心を話せるようになるのでしょうか?
それについて前回は「課題の分離」についてお話ししました。
前回の記事はこちら

今回は、本心を話せるにようになる3番目の方法として「結末の予測」をご紹介します。
現状を変える勇気を持つテクニック「結末の予測」
結末の予測とは、「今までやってきたことを続けると、どうなるのかを検討すること」です。
カウンセリングでは「正対技法」といわれています。
「今までやっていたことを続けるとどうなるのか。状況は良くなるのか、それとも悪くなるのか」をカウンセラーが問い、クライエントに考えさせる、という技法です。
短期的に見れば、これまでの行動を取り続けること(先の悩みでいえば、本心を言わないようにすること)は自分にとって楽なこと(ゆえに変えたくない、変えようとしない)だと思えるのですが、
「その行動を取り続けるとどうなるのか」
という長期的な視点を持つことで、「状況は良くなることは決してなく、むしろどんどん悪くなり、解決が難しくなっていく」とわかり、「このままではいけない。状況を変えなくては」という気持ちになるのですね。
本心を話せないでいることの悩みに関していえば、岸見さんは以下のように結末を予測することを促されています。
何もいわなければ当然波風は立たず摩擦も起こりませんが、何もいわなければ対人関係は長い目で見れば、よくはなりません。
何を考えているかわからない人は不気味がられ、次第に避けられるようになるからです。
短期的に見れば何も言わないことの問題は起こりませんが、長い目で見ればプラスにはならず、「あの人は何も言わないから、何を考えているかわからない」と思われ、避けられるようになるという、良くない状況を招いてしまうのですね。
そのように予測すると、「本心を言わないことのリスクのほうが、それを言うリスクよりも大きい」とわかり、本心を言う勇気が生まれるのですね。
本心を話してみて、それが相手に受け入れてもらえないこともあるでしょう。
しかしそれまでに紹介した「課題の分離」で、「自分の言ったことがどう評価されるか。嫌われるのか、好かれるのか」は相手の課題であり、そこに踏み込むことは健全ではないことを知り、
また、「すべての人から好かれよう」というのは不合理な自己理想であり、そのような自己理想を持たないようしに、「もちろん好きになってもらいたいけれど、自分を受け入れてもらえない人は必ずいる」と信じられていれば、気に病むようなことはなくなるのですね。
この結末の予測のテクニックは、本心を話せないことのみならず、過剰にリスクを恐れ、やらないでいる行為に対して、それを実行するときの効果的な手法です。
ぜひいろいろな場面で試していただければと思います。
過剰な恐れを克服する!論理療法でも教えられる手法
アドラー心理学の影響を受けているといわれる論理療法でも、同じようなやり方で過剰な恐れを克服する方法が教えられています。
スポーツや人付き合い、人前で話すことなど、本来は害もなく、むしろ避けるほうがリスクが大きなことを恐れていたとします。
それらを恐れずに実行するにはどうすればいいのでしょうか?
それは、
- 回避することによる不都合な側面(デメリット)
- それらの恐れを克服することで得られる喜び(メリット)
をそれぞれ書き出す、という方法です。
書き出したそれぞれのデメリットとメリットを見比べて、行動を回避することがいかに不合理かを強く信じることができれば、恐れを克服して望ましい行動へと向かえるようになるのですね。
結末の予測か、論理療法によるやり方か、どちらでも取り組みやすい方法を試してみてください。その効果がきっと実感できるでしょう。
次回は、本心を話すための方法の4番目であり、最後となる「トレーニングの実践」についてお話しします。
まとめ
- 本心を話せる方法の1つが「結末の予測」-「今までやってきたことを続けると、どうなるのかを検討すること」です。結末を予測することで長期的な視点を持つことができ、「状況を変えなくては」という勇気が得られます
- 本心を言わない問題でいうと、本心をずっと言わなければ「何を考えているかわからない人」という烙印を押され、次第に避けられるようになると思えれば、本心を話す勇気が得られるでしょう
- 論理療法においても、実行を恐れていることに対して、実行回避によるデメリット、恐れを克服して実行したときのメリットを書き出すことで、望ましい行動へ向かえるようになる方法(=損得分析)が教えられています
続きの記事はこちら

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