勉強会主催の みなみ です。
『運のいい人の法則』を通して、偶然ではない、運のいい人に共通する法則、幸運を実現する仕組みについてご紹介しています。
今回はその15回目です。
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運のいい人は、幸運を期待している?
『運のいい人の法則』は、ハートフォードシャー大学の心理学教授 リチャード・ワイズマン博士による、「運の科学的研究」について書かれた本です。
ワイズマン博士の調査によって、運のいい人には共通した4つの法則があることが発見されました。
幸運は偶然の重なり合いによって起きるのではなく、法則に従って考え・行動することによって生み出されていたのです。
ゆえに法則を理解して実践すれば、誰でも幸運を実現させることができる、といわれています。
その運のいい人の法則は、以下の4つです。
- チャンスを最大限に広げる
- 虫の知らせを聞き逃さない
- 幸運を期待する
- 不運を幸運に変える
前回から、法則の3番目「幸運を期待する」についてお話ししています。
「幸運を期待する」では、以下の3つのポイントが教えられています。
- 運のいい人は、幸運が将来も続くだろうと期待している
- 運のいい人は、たとえ可能性がわずかでも目標を達成するために努力して、失敗してもあきらめない
- 運のいい人は、対人関係がうまくいくと思っている
1つ目のポイントについて、ワイズマン博士の調査によって、
運のいい人は<将来、いいことが起こりそうだ>というプラスの期待度が高く、<将来、悪いことが起こりそうだ>というマイナスの期待度が低いこと、
対して運の悪い人はプラスの期待度が低く、マイナスの期待度が高いことがわかりました。
その将来に対する期待がそのまま現実に起こっている(運のいい人はたいてい望み通りの人生を手に入れて、運の悪い人の夢は夢物語のまま終わってしまう)こともわかっているのです。
運の悪い人 | 運のいい人 | |
プラスの出来事 | めったに起こらないと思っている | 起こると確信している |
マイナスな出来事 | 起こると確信している | 起こるはずがないと思っている |
実際の出来事 | 不運に苦しむ | 幸運に恵まれる |
※前回の詳細はこちらをご覧ください
ではどうして期待度が違うだけで、実際に起こる出来事にも違いが起こるのでしょうか。
それは「自己充足的予言(自己達成的予言)」という観点から論理的に説明することができるのです。
期待すれば幸運が実現する?“自己充足的予言”のメカニズム
自己充足的予言とは、アメリカの社会学者 ロバート・K・マートンが提唱した理論といわれています。
これは、「このようになるだろう」という予言(期待)が、その予言を実現させる行動を取らせ、それが実現するプロセスを指しています。
何もせずとも予言が当たった、期待が実現したということではなく、期待を持つことで、期待が実現するような行動を取るようになってそれが実現した、ということなのです。
ワイズマン博士は次のような例を挙げて説明されています。
あなたは新しい町に引っ越したばかりで知り合いができず、少し気がふさいでいました。
そこで、興味半分で占い師のところへ行き、未来を占ってもらったのです。
するとその占い師は「未来は明るいですよ。2、3ヵ月もすれば親友がたくさんできます」といいます。
あなたはその言葉を聞いて自信を取り戻し、来たときよりもはるかに幸せな気分で帰りました。
明るい未来が信じられるようになると、あなたは以前より笑顔が増え、積極的に外に出て、たくさんの人と言葉を交わすようになりました。
占い師を訪ねてから約2週間、あなたは親しい友人に囲まれていて、楽しく過ごしています。
このエピソードを聞かれて、「未来は明るい。親友がたくさんできる」と言ったことがまさに実現した、占い師の予言が当たった、と思われるでしょうか。
そうではありませんね。占い師の予言はあくまできっかけであって、あなた自身が、その予言を実現させるチャンスが増えるように行動したから(笑顔でいる、たくさんの人と会話をする)、新しい友人ができたのです。
このように、期待を持つことで、その期待が実現するような行動が増え、期待通りのことが生じるのが「自己充足的予言」です。
ワイズマン博士はこのように言われています。
私たちの期待は、考え方や感情、行動を大きく左右する。
健康にも影響を及ぼし、他人との接し方や、他人があなたとどう接するかも変えるのだ。
運のいい人は将来に対するプラスの期待を持つことで、前向きに、積極的に行動するようになって、実際にいいことが起こる、
反対に運の悪い人はマイナスの期待度が高いことで、気持ちも後ろ向きになって行動を起こすことなく(あるいは自暴自棄な行動を取ってしまって)、夢は夢物語のまま終わる(あるいは人間関係の破壊、健康を害するなどの不幸に見舞われる)といえるのです。
幸運や不運のすべては、不思議な巡り合わせで決まるのではなく、運のいい人は何もしていないのにいいことが次々と起こっているのではないとわかりますね。
他者への期待もまた実現する?「ピグマリオン効果」の威力
期待による効果は、他者に対しても生じます。それに関して、アメリカの教師を対象にした有名な実験があります。
その実験ではまず、心理学者が教師たちに、クラスの生徒数人は心理学的に見ると「大器晩成型」で、将来は何か大きなことを達成すると説明します(実際は、その生徒たちには何も特別なことはなく、無作為に選ばれただけでした)。
それから数カ月間、教師は無意識のうちに、大器晩成型の生徒をほかの生徒より励ましたりほめたりして、授業中に質問する回数も多くなりました。
その結果、無作為に選ばれた大器晩成型の生徒は周囲より成績が大幅に上がり、知能テストの結果も高かったのです。
教師のプラスの期待が生徒に影響を与え、期待が現実になるように生徒の行動が変化したことで、成績が向上したのですね。
このように、他者に期待をかけることで、その人は期待に応えようと行動を変え、期待通りのことが実現する傾向にあることは「ピグマリオン効果」といわれてます。
自分や相手にプラスの期待をかければ、その通りの行動をして夢や目標が達成しやすくなり、反対に「悪い事が起こりそう」というマイナスの期待は、望みの実現を邪魔する大きな要因となるのです。
前向きな考え方、明るい気持ち、積極的な行動をもたらすプラスの期待を、ぜひ持ち続けていきたいですね。
次回は、「幸運を期待する」の2つ目、3つ目のポイントをご紹介していきます。
まとめ
- 期待度が違うことで、実際に起こる出来事にも違いが生じるのは、「自己充足的予言」の影響といわれています。人が抱く期待は、その期待を実現させる行動を取らせるので、それが現実に起こることになり得るのです
- 運のいい人はプラスの期待を持つことで考え方や感情、行動が前向きになるため、実際にいいことが起こる。運の悪い人はマイナスの期待度を持つゆえ、それが考え方や感情、行動に悪い影響を与え、望む人生を送るのを邪魔するのです
- 自分に対しての期待のみならず、他者に対しての期待もまた相手に影響を与え、相手はかけられた期待が現実になるように行動を変化させるのです(ピグマリオン効果)
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