勉強会主催の みなみ です。
今回の勉強会には、初めての方7名を含む10名の方にご参加いただきました。
連休中のため、参加される方がおられるかどうかわかりませんでしたが、予想以上に多くの方に来ていただき、喜びもひとしおでした(^^)
大学3年生で参加した方もいて、意識の高さを感じました。
社会人が中心の場に行くのはハードルの高さを感じると思うのですが、思い切って参加され、勉強会の内容にも関心を持って聞かれていたようで、本当によかったです^^
記事の内容を動画でもご紹介しています
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劣等感は悪いもの?健全といわれる本来の劣等感とは
今回のテーマは、
ブッダとアドラー心理学に学ぶ「“不健全な劣等感”を克服する方法」
でした。
アドラー心理学でフォーカスされるテーマの1つが「劣等感」です。
周りと比較しては落ち込んでしまうなど、劣等感で悩み、苦しまれている方も多いと思います。
劣等感と聞くと、このように「持ってはいけないもの、自分を落ち込ませるもの」という悪いイメージを持たれる方がほとんどでしょう。
しかしアドラー心理学でいわれる「劣等感」は不健全なものではなく、すべての人が持っているのであり、健全であると指摘されています。
ではアドラー心理学でいわれる劣等感とはどんなものかというと、それは「自己理想や目標と、現状との差」から生まれるものなのです。
人間には「優越性の追求」があり、どんな人にも自己理想や目標があります。それらと現状には当然差ができるので、ゆえに劣等感は誰しもが抱く感情なのですね。
この劣等感があるからこそ、現状と目標との差を縮めようとして人は努力をするのであり、ゆえに劣等感は健全であるといわれるのです。
劣等感は健全である理由については、前回のレポートでも詳しくご紹介しました。
前回のレポートはこちら
そんな健全であるはずの劣等感がなぜ問題になるのでしょうか?
それは、本来は健全な劣等感が、不健全なものになってしまうことがあるからです。“不健全な劣等感”で私たちは苦しんでいるのです。
その不健全な劣等感とは何か、
どうして不健全なものになってしまうのか、
その仕組みをお話ししていきます。
不健全な劣等感「劣等コンプレックス」とは?
不健全な劣等感は「劣等コンプレックス」といわれています。
「コンプレックス」と聞くと、それ自体が劣等感という意味として使われていますが、アドラー心理学では「劣等感」と「コンプレックス」は別のものである、と定義されています。
「劣等コンプレックス」は、劣等感を目標達成に向かわない言い訳にすることです。
健全な人は、劣等感があるからこそ、その差を埋めるためにがんばろう!と思えるのですが、不健全な人は「自分は劣っているから、がんばれないんだ」となってしまうのです。
具体例として、アドラー心理学について書かれたベストセラー『嫌われる勇気』には、赤面症の女性が挙げられていました。
その女性には好きな男性がいるのですが「自分は赤面症だからその男性によく思われず、告白してもきっとうまくいかない」と思って悩んでいる、という例です。
この女性の見方は一見、正しいように思えます。
しかし赤面症だからといって、ではすべての男性が赤面症を良くないと思うかというと、そうではありませんね。
むしろ、赤面症の人に対して好感を持つ人のほうが多いことを示す心理学実験があります。赤面症は相手に対して関心を持っていることを伝えるサインであるので、むしろ相手への印象が良くなるといえるのです。
だからこの女性の考えは正しいようで、実は論理的に誤っています。このような「Aであるから、Bである」という考えは「見かけの因果律」といわれています。
このように「見かけの因果律」にとどまり、劣等感を目標達成に向かわない人が劣等コンプレックスの人なのです(この女性の場合は、赤面症を告白しないことへの言い訳に使っているのですね)。
ではどうして「見かけの因果律」にとどまってしまうのか、
彼女はなぜ告白しようとしないのか。
その理由については次回、ご紹介していきます。
まとめ
- アドラー心理学で「劣等感」とは「自己理想や目標と、現状との差に対して抱く感情」といわれています。優越性を追求する人間にとって劣等感を持つのは当然であり、健全なのです。劣等感があるからこそ、自己理想との差を埋めようと、私たちは努力できます
- 劣等感を、目標達成に向かわない言い訳に使うことを「劣等コンプレックス」といいます。劣等コンプレックスの人は、「AであるからBできない」という見かけの因果律にとどまっているともいわれています(赤面症の女性の例でいえば、「私は赤面症だからきっと嫌われる。そう思うと告白できない」というのは劣等コンプレックスといえます)
勉強会に参加された方の感想
○不健全なコンプレックスを認識することができ、勉強になりました。
○劣等感の退治方法とは結局、自己受容と直結しているのだとわかりました。
続きの記事はこちら
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