ポジティブ感情を増やす代表的な2つの方法-ブッダとポジティブ心理学に学ぶ“3:1の法則”8

勉強会主催の みなみ です。

『ポジティブな人だけがうまくいく“3:1の法則”』を通して、心理学の新しい分野である「ポジティブ心理学」について続けてお話ししています。

ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則

今回はその8回目です。

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あなたのポジティビティ比は?ポジティブ感情がもたらす恩恵

ポジティブな人だけがうまくいく“3:1の法則”』は、ポジティブ心理学の分野で最も注目されている人物の一人である、バーバラ・フレドリクソン氏(ノースカロライナ大学 心理学教授)によって書かれました。

この本は、フレドリクソン教授が注目を集めるきっかけとなった、ポジティブ感情に関する最新の理論「拡張-形成理論」がわかりやすく解説されています(「拡張-形成理論」は、他の心理学者の論文で多く引用されているほど、心理学の分野では有名です)。

さらにフレドリクソン教授と、心理学者であり数学者の マルシャル・ロサダ氏によって発見された「3:1の法則」についても詳説されています。

「3:1の法則」は、ポジティビティ比(ポジティブ感情の、ネガティブ感情に対する割合)が3を超えることで、個人でもチームでも高いパフォーマンスが発揮される、というものです。

そのポジティビティ比をいかに高めていくかについて、前回まではネガティビティ(=ネガティブ感情)を減らす方法をご紹介してきました。

前回の記事はこちら

誤った認知を断ち切り、ネガティブな感情を抑える!反論するときの3つの重要なポイント-ブッダとポジティブ心理学に学ぶ“3:1の法則”7
勉強会主催の みなみ です。 『ポジティブな人だけがうまくいく“3:1の法則”』を通して、心理学の新しい分野である「ポジティブ心理学」について続けてお話ししてい...

(ネガティビティを減らすには「認知行動療法」が有効であり、その具体的なやり方をお話ししています)

今回から、ポジティビティ(=ポジティブ感情)を増やす方法についてご紹介していきます。

ポジティビティを増やす代表的な方法

科学的にポジティビティを増やす方法はたくさん紹介されています。

しかしすべてを身につける必要はありません。

合わないものを身につけようとして、それがストレスになってしまっては本末転倒です。
また、どれだけたくさんの方法を知っていても、実行しなければポジティビティを増やすことはできませんね。

まずは1つ、自分に合ったものを選んで習慣化することが大切です

今回は、代表的な2つの方法について見ていきましょう。

①恵まれている点を数える

感謝に関する、ある心理学実験が行われました。

まず参加者を3つのグループに分けます。

1番目のグループには、毎週1回、感謝できることを5つ以上、書き出してもらいました。

2番目のグループでは、毎週2回、わずらわしいできごとを列挙してもらいます。

そして3番目のグループには毎週2回、日常的なできごとを列挙してもらったそうです。

その結果、感謝グループはほかのグループよりも幸福度が高く、健康上の問題も少なかったということがわかりました

恵まれている点を数え、感謝の気持ちを持つことで、着実にポジティビティを増やすことができるのですね。

感謝についてフレドリクソン教授はこう言われています。

感謝を言葉や行動で相手に伝えれば、こちらのポジティビティも相手のポジティビティも上昇します

そして相手の親切心も強化され、互いの絆が強まります。

(『ポジティブな人だけがうまくいく“3:1の法則”』より引用)

感謝を感じるだけでも効果的ですが、さらにそれを相手に伝えれば、相手のポジティビティを高めることができるのですね。

それにより相手の親切心を強化されれば、お互いがポジティビティを高め合える関係になれます。ポジティブ感情が波及していくのですね。

感謝を数えるときの注意点

感謝を数えることを習慣化するときに気をつけたいのは、その頻度です。

先の実験で、毎週1回、感謝できることを5つ以上、書き出してもらったグループのポジティブ感情は高まったのですが、

毎週3回(火・木・日)書き出したグループは、何の効果も得られなかったのです

それは残念ながら、頻度が多いと、しだいに面倒な作業と思い、退屈に感じたことで幸福感を得ることができなくなってしまったからだといわれています。

どれくらいの頻度が適切かは人によって異なるため、ちょうどいい頻度を見つけてみてください。

②自分のした親切を認識する

これもある心理学実験により、

「自分がほかの人にどんな親切をしたか」を記録してもらっているとき、ポジティビティ比がかなり上昇した

と明らかになっています。

親切を認識することで貢献感(自分は他人の役に立つ、と感じている状態)が高まります。するとさらに親切な行為に踏み出すことができるのです。

このように「親切とポジティビティは互いに高め合う」とフレドリクソン教授は言われています。

親切によってポジティビティ比を高めるには、行動そのものを増やすことが効果的です。ではどんなことをすれば、相手を喜ばせることができるのでしょうか。

相手にとって「ありがた迷惑」になっては単なる自己満足となり、相手との絆を強めることはできません。

仏教では、普遍的な親切、他者貢献が教えられています。それは元手なしで、すぐに実行できる親切であり、「無財の七施」といわれています。

詳しく知りたい方はこちらの記事をぜひ読んでみてください

元手なし!誰でもできる、仏教で説かれる7つの他者貢献とは?
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まとめ

今回は、ポジティブ感情を増やす方法として

  1. 恵まれた点を数える(感謝を伝えれば相手のポジティビティも上昇します。ただし、退屈な作業にならないよう、頻度に注意しましょう)
  2. 自分のした親切を認識する(どんな親切をしたかを記録すると、ポジティビティ比はかなり上がります)

をご紹介しました。

ほかにも、日常で取り入れやすいポジティビティを増やす方法がありますので、次回はそれらをご紹介します。

続きの記事はこちら

簡単にできる!ポジティビティ比を高める3つの方法-ブッダとポジティブ心理学に学ぶ“3:1の法則”9
勉強会主催の みなみ です。 『ポジティブな人だけがうまくいく“3:1の法則”』を通して、心理学の新しい分野である「ポジティブ心理学」について続けてお話ししてい...

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この記事を書いた人
南 雄一郎

2011年 金沢大学工学部 卒業

大学では機械工学を専攻するなか、悩み解消のヒントや生きる指針を教える仏教に強い関心を持ち、仏教講演会に多数参加しました。

また大学卒業後は仏教と親和性のある心理学にも興味を持ち、独学で学びました。

現在は東京都内でライターをしながら、対人関係の悩みを解消し、自立した生き方の実現を目的とした 仏教×心理学のワークショップを開催しています。

自主開催のワークショップは累計750回以上。

2018年 新潟県キャリアセンター様主催 キャリアコンサルタント フォローアップセミナーにて講師をつとめました。

NPC法人HMC協会 認定心理カウンセラー(セルフ資格) 。

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