過剰なネガティブ感情を減らす「ABC方式による認知行動療法」-ブッダとポジティブ心理学に学ぶ“3:1の法則”5

勉強会主催の みなみ です。

『ポジティブな人だけがうまくいく“3:1の法則”』を通して、心理学の新しい分野である「ポジティブ心理学」について続けてお話ししています。

ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則

今回はその5回目です。

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人生がうまくいく「3:1の法則」とは?

ポジティブな人だけがうまくいく“3:1の法則”』は、ポジティブ心理学の分野で注目されているバーバラ・フレドリクソン教授による本です。

フレドリクソン教授と、心理学者であり数学者の マルシャル・ロサダ氏は、ポジティビティ(=ポジティブ感情)に関する重要な真理を発見しました。

それは、ポジティビティの、ネガティビティ(ネガティブ感情)に対する割合(これをポジティビティ比といいます)が、「3:1」を超えている場合、人は上昇スパイラルに乗り、「繁栄」の状態に向かえる

反対に、ポジティビティ比が「3:1」を下回る場合は、下降スパイラルへ入ってしまい、「沈滞」の状態へ陥ってしまう、というものです。

ゆえに個人でも夫婦でもビジネスチームでも、ポジティビティ比が3を超えているときはその関係が非常にうまくいっていることを、前回はご紹介しました。

前回の記事はこちら

あなたのポジティビティ比は?繁栄か沈滞かを分ける重要な法則-ブッダとポジティブ心理学に学ぶ“3:1の法則”4
勉強会主催の みなみ です。 『ポジティブな人だけがうまくいく“3:1の法則”』を通して、心理学の新しい分野である「ポジティブ心理学」について続けてお話し...

残念ながら、ほとんどの人はそのガイドラインの「3:1」には届かないといわれています。

しかし逆にいえば、それだけポジティビティ比を高める努力の余地があるということであり、誰でも「繁栄」に向かうことはできる、ともいわれているのです

今回は、そのポジティビティ比を高める方法をお話ししていきます。

ポジティビティ比を高める科学的な方法

ポジティビティを増やす方法について、フレドリクソン教授はこう言われています。

生活のなかにポジティビティを増やすのは、何でもかんでも楽天的に考える、というような単純なことではありません。

気持ちの持ちようだけで、人は幸せになれません

(『ポジティブな人だけがうまくいく”3:1の法則』より引用)

ポジティブになるには、なんでも明るく考えることや気合が大事、と思ってしまいますが、そのような気持ちの持ちようだけでは幸せになることはできず、ポジティビティ比を高めることはできないのですね。

それに対して、効果実証済みの、ポジティビティ比を着実に高められる科学的な方法があるのです。

その方法は大きく3つに分かれます。

  1. 分母(ネガティビティ)を減らす
  2. 分子(ポジティビティ)を増やす
  3. その両方を同時にする

それぞれ、具体的なやり方を見ていきましょう。

①分母(ネガティビティ)を減らす-認知行動療法

ネガティビティと聞くと、非常に悪いもの、というイメージを持ってしまうかもしれませんが、健全に生きていくのにネガティビティも欠かすことのできないものです。

ネガティビティがあるからこそ、行き過ぎた行動を抑止することができるのです。

しかし過剰なネガティビティは、仕事でも家族との関係でもネガティブな結果を引き起こしてしまいます。
ゆえに過剰なネガティビティは減らす必要があるのですね。

そのために勧められているのが、「認知行動療法」です。

そのなかでも効果が実証されていて、医療やカウンセリングの場でも使われているのが「ABC方式による認知行動療法」です。
それはアメリカの臨床心理学者 アルバート・エリス氏が提唱しました。

ABCとは、

  • Adversity(=困った状況)
  • Belief(=思い込み)
  • Consequence(=結果)

と、認知の仕方に関する、それぞれ単語の頭文字から取られました。

人はA→B→Cの順で反応している、というのがアルバート・エリス氏の見方です。

私たちは、何か困った状況に陥ったとき、すぐに結果(=感情)が起きると考えています。

たとえば、「上司から叱られた」なら、ショックを受けた、あるいは反発心が起きてムカムカする、などです。

しかし、実はこれは誤った見方です。

困った状況からすぐに感情が生み出されるのではなく、必ずその前に「思い込み」が入るのです。

上司から叱られた例でいえば、叱られたことで「人格を否定された」と思うことでショックを受けますし、「プライドを傷つけられた」と思うから怒りの感情が起きるのですね。

裏を返せば、困った状況が起こったとしても、思い込みを変えることで、過剰なネガティブ感情を防ぎ、ポジティブな感情を生じさせることも可能、ということです。

例でいうと、上司から叱られても、

「これは私の成長のために必要な機会だ」
「別に、私の人格が否定されたわけではない」
「上司の指摘は確かにその通りだ。感情的にならずに、しっかりと受け止めよう」

と考えることができれば、落胆や怒りなどのネガティブな感情は排除することができるのですね。

ではその<否定的な感情を生じさせる思い込み>にとらわれないようにするにはどうすればいいのでしょうか。

次回は、ネガティブな結果を引き起こす思い込みを正す方法を、具体例を通してご紹介します。

まとめ

  • ポジティブ心理学者のバーバラ・フレドリクソン氏の研究によって、ポジティビティ比が3を超えているとき、個人でも夫婦でもチームでも、上昇スパイラルに乗って、その関係はうまくいくことがわかりました
  • ポジティビティ比をを高めるには、効果が実証済みの方法を実践することです。ネガティビティを減らすことでポジティビティ比をを高める方法に「認知行動療法」があります
  • アルバート・エリス氏が提唱したのが、ABC方式による認知行動療法です。困った状況(Adversity)に対する思い込み(Belief)を変えることで、過剰なネガティブ感情を防ぎ、ポジティブ感情を生じさせることもできるのです

続きの記事はこちら

ネガティブな感情をコントロールするには?認知行動療法の実践法-ブッダとポジティブ心理学に学ぶ“3:1の法則”6
勉強会主催の みなみ です。 『ポジティブな人だけがうまくいく“3:1の法則”』を通して、心理学の新しい分野である「ポジティブ心理学」について続けてお話し...

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この記事を書いた人
南 雄一郎

2011年 金沢大学工学部 卒業

大学では機械工学を専攻するなか、悩み解消のヒントや生きる指針を教える仏教に強い関心を持ち、仏教講演会に多数参加しました。

また大学卒業後は仏教と親和性のある心理学にも興味を持ち、独学で学びました。

現在は東京都内でライターをしながら、対人関係の悩みを解消し、自立した生き方の実現を目的とした 仏教×心理学のワークショップを開催しています。

自主開催のワークショップは累計500回以上。

2018年 新潟県キャリアセンター様主催 キャリアコンサルタント フォローアップセミナーにて講師をつとめました。

NPC法人HMC協会 認定心理カウンセラー(セルフ資格) 。

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