勉強会主催の みなみ です。
今回の勉強会には初めての方2名を含む、7名の方にご参加いただきました!
熱帯性低気圧が近づいていて、開催できるかさえ心配になりましたが、幸いにも予報よりひどくなりませんでしたね。
ただ、強い雨は降っていましたので、そのなかご参加いただけた方に感謝の思いです(>_<)
今回の「論理療法」がテーマのワークショップでは、自分一人でも実践できる「セルフ・ヘルプ用紙」をお配りし、みなさんに使っていただきました。
「今まで読んだ本に載っていたシートよりも書き込みやすいフォーマット」と言ってくださった方もいて、嬉しく思います。
定着させるには時間がかかりますが、確実な効果が期待できる論理療法。ぜひ日常で生かしていただければと思います。
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“論理療法”は自分ひとりでも立ち直れる、悩み解消のメソッド
今回の勉強会は、
ブッダと心理学から学ぶ「認知のゆがみ、思い込みを正す“論理療法”」
についてでした。
このテーマの勉強会では、『現実は厳しい。でも幸せにはなれる』という本の内容をメインにしてお話ししています。
こちらの本は、世界三大心理療法家の一人であるアルバート・エリス氏によって書かれた、論理療法を解説した本です。
論理療法と聞くと難しそうに感じる方もおられるかもしれません。
しかしこちらの本では、一般の方向けに、多くの具体例をまじえながら、わかりやすく実践的に書かれています。
著者のアルバート・エリス氏は、世界三大心理療法家といわれるほど、心理学の世界に多大な影響を与えた人です(エリス氏に並んで三大心理療法家といわれるのが、精神分析療法のジークムント・フロイト、クライエント中心療法のカール・ロジャーズです)。
エリス氏が生み出した論理療法は、現在の心理療法の中心的役割を得ている「認知行動療法」の礎、といわれています。
認知行動療法は、不安障害やうつ病の療法として確かな効果が示されています。その元になっているのが論理療法なのですね。
その論理療法は、自分ひとりでも実践可能であり、落ち込みや悩みを抱えても、自分で立ち直ることができるメソッドです。
それは、一時的な気晴らしが得られるようなものではなく、不安や悩みのベースになっている自分の考えそのものを変えることで動揺しにくい自分をつくることもできる、といわれています。
精神分析の行き詰まりから生み出された論理療法「不幸の直接の原因は、実は今のあなた自身」
論理療法が生み出される前、エリス氏は6年間、患者に対して精神分析療法を施していたそうです。
ところが成果が上がりませんでした。クライエントは症状が良くなるどころか、過去に過剰にとらわれて、ひどく動揺してしまったのです。
そこでエリス氏は、精神分析療法とは違ったアプローチを考え始めました。
自分の情緒的な問題を自分でうまく制御するにはどうすればいいのか、そのための理論を構築するために、多くの古代哲学者の考えを学びます(東洋ではブッダや老子、ギリシャ・ローマではエピクロス、エピクテトス、マルクス・アウレリウスなど)。
また、多くの近代哲学者の書物も読み直し、不幸や幸福に対する見解を学んだ、ともいわれています(スピノザ、カント、デューイ、ラッセルなど)。
これらのいくつかの哲学を基盤としてつくられたのが論理療法でした。
すると論理療法は、始めて1年で、迅速に、効果的に作用することが確認されたのです。
この論理療法と、それまでの療法とを比較して、エリス氏はこう言われています。
精神分析や他のほとんどの心理療法では、あなたの不幸は、あなたの両親、文化、あなたのおぞましい過去が、その原因であるとしています。これはナンセンスです!
それらの状況は、確かにあなたに悪影響を及ぼしています。不幸を増幅させています。
しかし、それが直接の原因ではありません。不幸の直接の原因は、実は今のあなた自身です。
あなたは自分を楽しませる能力をもっていますが、同時に、自分を不幸にする能力ももっています。その能力で今、自分を不幸にしているのです。
精神分析をはじめ、その他の療法では背景や過去に焦点が当てられています。もちろんそれらが悪影響を与えているのは確かなのですが、それが苦しみの直接の原因ではない、とエリス氏は強調されています。
もし過去そのものに苦しみの原因があるとすれば、過去は変えることができないため、苦しみは解決されないことになってしまいます。
それどころか、エリス氏の心理療法の経験からもわかるように、クライエントは過去に過剰にとらわれ、症状がよりひどくなってしまうこともあるのですね。
対して論理療法では、情緒的な問題は「自分」で選択をしているのであり、ゆえに情緒的な傾向を今すぐやめて、弱める選択も「自分」でできる、といわれています。
自分を不幸にしているのは自分自身の考え、選択であると聞くと、厳しく感じますが、自分で選んだということは、選び直して自分を楽しませることも可能です。
自分の考えを、自分自身で論理的・合理的なものに変え、自らが情緒的な問題を改善する。それが論理療法なのですね。
では論理療法とはもっと具体的にどんな療法なのか、どう実践すべきなのでしょか。
それについて次回以降、ご紹介していきます。
まとめ
- 『現実は厳しい。でも幸せにはなれる』は、世界三大心理療法家の一人、アルバート・エリス氏による、論理療法が解説された本です。論理療法は自分一人でも実践可能であり、落ち込みや悩みから自らの力で立ち直れるメソッドです。考え方そのものを変え、動揺しにくい自分をつくることも可能、といわれています
- エリス氏は、精神分析療法を施してもクライエントの症状はよくならず、それどころかひどく動揺してしまうことがわかり、精神分析療法とは違ったアプローチを考え始めました。その結果、さまざまな哲学を統合してつくられたのが論理療法であり、始めて1年で、効果的に作用することが確認されたのです
- 他の心理療法が両親や過去、文化が苦悩の原因であると見ているのに対し、論理療法では、自分自身の考え・選択が、苦しみの直接的な原因と見られています。情緒的な問題は自分が選択しているのであり、ゆえにいますぐそれをやめて弱める選択も自分でできる、考えを合理的に変えることで自ら情緒的な問題を解決できる、といわれています
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