勉強会主催の みなみ です。
『ポジティブな人だけがうまくいく“3:1の法則”』を通して、心理学の新しい分野である「ポジティブ心理学」について続けてお話ししています。
今回はその6回目です。
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過剰なネガティブ感情を取り除く方法とは?
『ポジティブな人だけがうまくいく“3:1の法則”』は、ノースカロライナ大学のバーバラ・フレドリクソン教授によって書かれた本です。
フレドリクソン教授はポジティブ心理学の分野で最も注目されている人物の一人です。
本のタイトルにある「3:1の法則」とは、フレドリクソン教授と心理学者 マルシャル・ロサダ氏によって発見されたポジティブ感情とネガティブ感情に関する法則で、
ポジティビティ(=ポジティブ感情)のネガティビティ(=ネガティブ感情)に対する比が3を超える場合、個人でも夫婦でもビジネスチームでも、さまざまリソースが形成され、視野の広がりや創造性の高まりが得られ、あらゆる物事がうまくいく、というものです。
反対に、3を下回る場合は、有効なリソースがつくられず、視野も狭まり、物事がうまく進まないのですね。
ではこのポジティビティ比を高め、あらゆる物事がうまくいく状態(フレドリクソン教授が言われる「繁栄」)に向かうにはどうすればいいのでしょうか?
ポジティビティ比は科学的な方法によって誰でも高めることができる、フレドリクソン教授はいわれています。
前回は、過剰なネガティビティを取り除く方法として、臨床心理学者 アルバート・エリスが提唱した「ABC方式による認知行動療法」についてお話ししました。
前回の記事はこちら
「ABC方式による認知行動療法」とは、
「Adversity(=困った状況)」
→「Belief(=思い込み)」
→「Consequence(=結果)」
の順で物事は認知されるのであり、ゆえに誤った思い込みを変えることで感情なネガティブを断ち切り、ポジティブな感情も生み出すことができる、というものです。
今回は、具体例を通しながら、思い込みを正す方法をご紹介します。
認知行動療法の実践-思い込みが変わると、結果が変わる
たとえば、
A:親友に電話してくれるように伝言を入れておいたのに、電話がかかってこない
という困った状況にあったとします。
仮に、B:私にはいつも相手に対する思いやりがないから、電話がかかってこないんだ、無視されているんだ
と思ったならば、C:あなたはショックを受け、一日中ふさぎこむ
ということになりますね。
こうなっては、せっかくの一日が台無しになってしまいます。
では、B:あの人はきっと今気分がふさいでいるんだ、と思う
と、信念を変えればどうでしょうか?
それはあの人の問題であり、私にはどうしようもないことと思えれば、ショックを受けてふさぎこむことはなくなります。
C:あなたは別に気を悪くしないで、一日を普通に過ごす
ことができるのですね。
「いつも」とか「私がすべて」というのは、状況に対する永続的で内的な説明の仕方だといわれます。
その説明では、必要以上に自分を責めて、落ち込んでしまって、なかなか立ち直ることができなくなります。
反対に、「今は」とか「(私にも原因があるが)あの人は」という説明は、一時的で外的な説明の仕方であり、これが過剰なネガティブ感情を取り除いて立ち直りやすくなる説明です。
このように状況に対する説明の仕方を変えることで、その後に生じる結果(感情)をコントロールすることができるのですね。
では永続的で内的な説明をしてしまう人が、その説明の仕方を変えるにはどうすればいいのでしょうか?
悲観的な思い込みへの対処法-反論する
悲観的な思い込みに対処するには「反論する」ことが勧められています。
D:Dispute(=反論)
によって、
E:Energization(=元気づけ)
が行われ、誤った思い込みによって生じたネガティブな感情を和らげることができるのです。
この反論と元気づけを加えて「ABCDE理論」と呼ばれることもあります。
思い込みに適切に反論をすることによって、不要なネガティブ感情を排除することが可能になるのですね。
それでは適切に反論するにはどうすればいいのでしょうか?
次回は、適切な反論のための3つのポイントをご紹介します。
まとめ
- ノースカロライナ大学のバーバラ・フレドリクソン教授が発見したのが「3:1の法則」-ポジティビティのネガティビティに対する比が3を超える場合、個人でも夫婦でもチームでも、あらゆる物事がうまくいく-です
- ポジティビティ比は科学的な方法によって誰でも高めることが可能であり、その方法の1つが「ABC方式による認知行動療法」です。思い込みを変えることで過剰なネガティブ感情を和らげ、前向きな気持ち生じさせることができます
- 思い込み・悲観的な考えを変えるには、反論をすることです。思い込みに適切に反論することで、適応的な思考へと切り替わり、Energization(=元気づけ)されます
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