勉強会主催の みなみ です。
今回のワークショップには初めての方2名を含む、13名の方にご参加いただきました!
東京は雪の予報もあり(実際は大したことはありませんでしたが)、残念ながらキャンセルになった方も多かったです。
ただ、その中でも予定通りご参加いただけた方も多く、嬉しく思いました(^^)
今回は「大人になるための条件とは?」というテーマでディスカッションをしました。
成人すれば身体的には大人になっても、精神的に大人になれるとは限りません。私自身もそうですが、精神的に未熟なところがあるという方も多いでしょう。
その未熟な部分が、対人関係での問題、トラブルを引き起こしてしまいます。
そうならないためにどうすればいいのかを話し合い、皆さんにも積極的に発言をいただいて、私個人として勉強になりました。
こうして改めて日常での言動を振り返る機会は学びも多く、貴重な時間となりました。
スポンサーリンク
本心の話すには、嫌われることを恐れない“勇気”を持つこと
今回は、
ブッダとアドラー心理学に学ぶ「即実践的 悩みの解決法」
というテーマでお話ししました。
アドラー心理学が広まるきっかけとなった『嫌われる勇気』。その著者である岸見一郎さんの最新作が『人生を変える勇気』です。
人生を変える勇気 – 踏み出せない時のアドラー心理学 (中公新書ラクレ)
この本は、青年から年配の方まで、さまざまな年代の方が日常で抱いている具体的な悩みに、アドラー心理学の観点から答えられています。
「アドラー心理学の考え方には共感し、感動もしたけれど、日常でどう生かせばいいのかわからない」という方に、ぜひその内容を知っていただければと思います。
前回から、自己受容に関する ある男性の悩みを取り上げ、それにお答えしています。
その悩みとは、
ボクは自分に自信がありません。
他の人からどう思われているかがいつも気になってしまい、本心を話すことができません。
遊びに誘われると、本当は家で一人でいたいのに断ることができません。
こんな性格、どうしたらいいですか。
という、本心を言えないことが苦しく、悩んでいるというものです。
これについて前回は、「本心を言えなくて苦しい」のではなく、「本心を言いたくない。本心を言えば嫌われるかもしれず、それは避けたい」という目的が先にあり、その目的のために本心を話さないでいる、というアドラー心理学の観点(これを「目的論」といいます)をお話ししました。
前回の記事はこちら
ではどうすれば本心を話せるようになるかというと、他人から嫌われることを恐れない勇気、本心を話す勇気を持てば、思い切って本心を言うことができるのです。
生まれつきの性格だからできない、ということは決してないのですね。
今回から、本心を話す勇気を持つにはどうすればいいのかについてお話ししていきます。
本心を言う勇気を持つには?自己理想に注目する
本心を話すことを恐れない、そのための勇気を持つ方法として、まず、「不合理な自己理想を持たないようにする」ことです。
アドラー心理学のパイオニアである精神科医の野田俊作さんは、自信の持てない人に対してこうアドバイスをされています。
自己受容ができない人というのは、 非現実的に高い目標を持っている場合が多いようです。
たとえば、
「すべての人に好かれよう」とか、
「決して失敗しないでおこう」とか、
「あらゆる人よりもあらゆる点で優れた人間でいよう」 とかいうような、実現不可能な、 不合理な高い理想を持っていて、それを実現していない自分を感情的に責めるわけですね。
(『アドラー心理学を語る3 劣等感と人間関係』より引用)
「こんな自分になりたい」という目標を持つことは良いことですね。
けれど野田さんの言われる通り、あまりに高い自己理想を持っていると、現実とのギャップに苦しみ、行動そのものができなくなってしまいかねません。
先の悩みでいえば、「どんな人からも嫌われたくない」という自己理想を持っていると、その思いから誰にも本心を言えなくなってしまうですね。
しかしそもそも「どんな人からも嫌われたくない」という思いは実現できるのでしょうか。
これに関して「2:7:1の法則」というものがあります。
臨床心理学者のカール・ロジャーズが唱えたといわれる説で、
まわりに10人の人がいたとすると、
- 2人は無条件に私を好きになり、援助してくれる人
- 1人は無条件に私を嫌い、妨害をしてくるような人
- 残りの7人はその時々の都合によって評価が変わる人
とする法則です。
もちろん、人によって割合のばらつきはあると思いますが、すべての人から好かれる人もいなければ、すべての人から悪く思われる人もいない、というのは確かでしょう。
ゆえに「どんな人からも嫌われたくない」という思いは実現な不可能な、不合理なものといえますね。
この不合理な自己理想を抱くのをやめて、「どんな人でも、どんなに取り繕おうと、その人を嫌う人はいるんだ」と思えれば、本心を言うことへの恐れが薄れ、本心を言う勇気を持つことにつながるのですね。
次回は、本心を話せるようになるための2番目の方法をご紹介していきます。
まとめ
- アドラー心理学では「目的論」が提唱されています。行動しない理由は「~したくない」という目的が先にあるからです。本心を言えないことの問題でいえば、「本心を言えない」のではなく、「対人関係で傷つきたくなく、本心を言いたくない」のです
- ゆえに生まれつきの性格だから本心が言えないということはなく、本心を話す勇気を持てば、思い切って本心を伝えることができるのです
- 本心を話すことを恐れない勇気を持つ方法の1つが、「不合理な自己理想」を持たないことです。「どんな人から嫌われたくない」という理想と持っていると、本心を言ったら嫌われるかもしれないと思い、本心を言えなくなってしまいます
- 2:7:1の法則からもわかるように、「どんな人からも嫌われたくない」というのは実現不可能、不合理だと気づき、「どんな人でも、その人を嫌う人はいる」という考えを持つことが、本心を言う勇気につながります
続きの記事はこちら
引用した書籍
スポンサーリンク