勉強会主催の みなみ です。
今回の勉強会には、初めての方2名を含む、5名の方にご参加いただきました^^
今回のテーマは、アドラー心理学の「勇気づけ」であったので、
アドラー心理学に関心があって本を購入してみたけれど読むことはなく、ふと勉強会の案内を見て。改めてアドラー心理学を知りたいと思っていた方、
「勇気づけ」という言葉に惹かれ、勇気をもらえるなら参加してみたいと思われた方など、いろいろなニーズをお持ちの方に来ていただきました。
ニーズはさまざまでしたが、内容によく納得され、気づきを得ていただいたように感じ、嬉しく思います。
少しでも気づきを得られ、日常に良い変化を起こしていただけるようなワークショップを、今後も目指していきます。
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アドラー心理学のキーワード“勇気づけ” 正しい勇気づけとは?
今回のテーマは、
ブッダとアドラー心理学から学ぶ「良好な対人関係を築く“勇気づけの方法”」
でした。
『嫌われる勇気』をきっかけに多くの方が知られるようになったアドラー心理学は、創始者のアルフレッド・アドラーの名前を冠した呼び名だけでなく、
ほかにも、その特徴から「個人心理学(こちらが正式名称ですね)」や「使用の心理学」などと呼ばれることがあります。
そして、今回のテーマでもある「勇気の心理学」といわれますね。
このような勇気を冠する呼び名があるほど、アドラー心理学では勇気が重要視されています。
勇気があれば前向きな建設的な行為へと踏み出せます。
しかし勇気がくじかれていれば建設的な行動をしなくなり、反対に非建設的な行動(他者に貢献するどころか迷惑をかける行動)さえしてしまうのです。
ゆえに、お互いを勇気づけることが、良好な関係を築き、精神的に健康に生きていくために大切です。
それではどうすれば、相手を勇気づけ、適切な行為へと向かわせることができるのでしょうか?
勇気づけの基本とは? 心がけ次第でできる勇気づけ
勇気づけの基本は、「ありがとう」「嬉しい」という感謝や喜びを伝えることです。
感謝や喜びを伝えることで、相手は貢献感(自分は役に立てている、ということを感じる)を得ることができ、それが自己受容(自分を価値ある存在だと受け入れること)へとつながり、勇気を得ることができます。
その感謝や喜びを伝えるときに必要なのは、「ありがとう」や「嬉しい」のネタです。
相手からどんな貢献を受けているのかがわからなければ、感謝や喜び、お礼を言うことはできませんね。
普段から感謝や喜びのアンテナを張り、ネタ探しをすることが、勇気づけへとつながります。
言い換えれば、「相手から自分はこういうことをしてもらったから、いま自分はこうして無事に生活を送れているんだ」という恩を感じることで、それが感謝や喜びにつながる、といえますね。
前回は、仏教で「『恩』を知ることが、感謝や喜びを伝える第一歩、他者貢献への道の始まりである」と教えられていることを紹介しました。
前回の記事はこちら
今回は、引き続き仏教で説かれる恩の大切さについて、最新の心理学実験とも関連させてお話しします。
徳のある、素晴らしい人とは?仏教で説かれる「知恩・感恩・報恩」
恩についての仏教の言葉で、
- 知恩(ちおん)
- 感恩(かんおん)
- 報恩(ほうおん)
という言葉があります。
知恩は、恩を知ること。自分はそもそもどんな恩を受けているのか、どんな支援をいただいているのか知らなければ、恩を感じることはできません。
感恩は、恩を感じること。恩を知ることで、そのありがたみを感じられるでしょう。
そして報恩は、その恩に報いること。
恩を知り、その恩のありがたさを感じることで幸せを感じ、感謝の気持ちが起きます。すると、そのお世話になった人の恩に報いようと、他者貢献に踏み出さずにはいられなくなるのですね。
仏教では、この知恩・感恩・報恩ができている人ほど徳のある人、素晴らしい人であるといわれます。
それとは反対に、どれだけ能力が高かったり、所有物が多かったりしていても、恩を知ろうとせず、感じることもなく、恩に報いろうとしない人は、周りの幸福に寄与しない人であり、徳の高い人とはいえないのですね。
恩を感じ、感謝の気持ちを持つことは、自らの幸福感とも密接な関係があります。
恩を感じ、それに報いている人は、周りの人も幸せな気持ちになり、自らの幸福感も高まります。
反対に恩を感じることなく感謝の心がなければ、自分が幸福感を得ることもできず、周りに幸せな気持ちを届けることもできません。
最新の心理学実験で明らかになった、感謝と幸福の関係
感謝と幸福の相互作用は、カリフォルニア大学 心理学教授であるロバート・エモンズ氏と、心理学者のマイケル・ロッカー氏が行った、感謝についての研究で明らかになっています(『ハーバードの人生を変える授業』より)。
その実験とは、
- 被験者を2つのグループに分ける
- 1つ目のグループには、感謝できることを5つ書いてもらう(ちょっとしたことでもOK)
- 2つ目のグループには、日常の出来事を書いてもらう
というものです。
その結果、感謝できることを考えたグループは、人生をもっと肯定的に評価できるようになり、幸福度が高まったのです。
さらにそれだけなく(それも素晴らしいことですが)、人に対してもっと優しくできるようになり、手伝いを積極的に申し出るようになった、といわれています。
心理学実験の観点からも、恩を感じ感謝の気持ちを持つことは、自分の幸福感を高め、さらには他者貢献の活動にもつながることがわかったのです。
それでは具体的に恩を感じ、感謝の心を気持ちを持つにはどうすればいいのでしょうか?
次回は、誰にでもできる、効果的な「感謝を表す方法」をご紹介します(上記の心理学実験で試された、感謝できることを5つ書くというのも、感謝の気持ちを持つ有効な方法の1つです。よろしければぜひ試してみてください)。
まとめ
- アドラー心理学は「勇気の心理学」ともいわれ、勇気が重要視されています。勇気があれば、それだけ建設的な行動に踏み出していけます。反対に勇気が欠けると、前向きに行動しなくなったり、非建設的な行為をしたりさえもします
- 相手を勇気づける基本は、「ありがとう」「嬉しい」という感謝や喜びを伝えることです。感謝や喜びを伝えることで、相手は貢献感や効力感を得て、自己受容へとつながり、勇気を得ることができるのです
- 感謝や喜びを伝えるには、そのためのネタ探しておくこと、相手の貢献に対する恩を感じることが大切です。仏教では恩を知り、感じ、それに報いようとしている人が徳のある人、素晴らしい人と教えられています
- 感謝に関する心理学実験では、感謝できることを考えることで人生を肯定的に評価できるようになり、幸福度が高まったこと、さらに人に対して優しくなり、より積極的に手伝いを申し出るようになったことがわかりました。恩を感じ、感謝の気持ちを持つことは、その人自身も幸せにするのです
続きの記事はこちら
参考にした書籍
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